ホタルルシフェラーゼとは? わかりやすく解説

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ホタルルシフェラーゼ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/20 05:02 UTC 版)

ルシフェラーゼ」の記事における「ホタルルシフェラーゼ」の解説

ホタルルシフェリン-4-モノオキシゲナーゼ (ATP加水分解) (Photinus-luciferin 4-monooxygenase (ATP-hydrolysing))、通称:ホタルルシフェラーゼ (firefly luciferase) はホタル化学発光触媒する酸化還元酵素である。1957年単離精製され1961年にその平面構造決定されている。 ホタル発光効率極めて高く発光量子効率は約0.88であると報告されていた(1960年 McEory)が、その後の検証で約0.41であると報告されている(2008年 安藤)。ホタルの光明滅するが、このフラッシュ発光はNO(一酸化窒素)により制御されていることが提唱され、以下のように考えられている。神経末端発光細胞の間にあるNO合成酵素NOS)が、NOを生産し発光細胞ミトコンドリアチトクロムcオキシダーゼ呼ばれる酵素活性抑える。すると、ホタルルシフェラーゼが局在しているペルオキシソームの中の酸素量増え発光反応促進させる。したがってペルオキシソーム酸素量直接ホタル発光明滅関わる考えられる。 ホタルルシフェラーゼの反応2段階により進行する。まず、ルシフェリンカルボキシル基ATPのα位のリン酸部位攻撃し、ルシフェリルAMP中間体酵素中で一旦生成するその後酵素中間体反応した後、励起状態オキシルシフェリン生成し、これが基底状態オキシルシフェリンに変わる際、そのエネルギー黄緑色発光として放出する1985年初めてホタルルシフェラーゼ遺伝子クローニングされた。これにより、アミノ酸配列決定しアシルCoAリガーゼとの配列類似性が高いことが判明したアシルCoAリガーゼは、ATP存在下で、脂肪酸のアデニレート体を中間体とし、ホタルルシフェラーゼもまた同様に同じくホタルルシフェリンをアデニレート化する発光反応ATP介在させることから、ATP微量検出用いられるATP多く生物エネルギーとして利用することから、ホタルルシフェラーゼを用いて微生物検出等の応用例が見られるまた、ATP添加することで簡易発光反応起こすことができることから、in vivoでの実験において、レポーター遺伝子として用いられることも多い。 1996年にホタルルシフェラーゼのX線結晶構造解析が行われ、その構造が明らかとなった。ホタルルシフェラーゼの構造による発光色決定解明するため、キメラ変異体ランダムあるいは特定のアミノ酸残基変異体作製され発光色の謎に構造学的に迫ったことを2006年中津らが、Nature誌にて報告している。中津らは、発光反応に伴うルシフェラーゼ一連の反応を明らかとするために反応中間体アナログ合成し構造解析用いた。これにより288番目のイソロイシン(Ile288)付近にのみ、重要な動きがある事を観測した。それは、Ile288はルシフェリン結合部位の方へ移動していたことである。このことから、Ile288が発光直前に動くことで、活性中心疎水的環境完成するという考え抱いた。これを検証するため、既に赤色発光する286番目のセリンをアスパラギンに変えた変異体(S286N)について、反応中間体アナログとの構造解析行った。すると、S286Nの構造は、野生型反応終了後と同じ構造をとっており、この構造の中では、Ile288の動き観測されなかった。S286Nが赤色発光を行うことから、Ile288が動く事は緑色発光に必要であることが考えられ、Ile288と反応中間体アナログとの接触仕方が重要であるといえる。これを検証するため、彼らはIle288をバリン(V)、アラニン(A)またはアスパラギンに変えた変異体作製したその結果発光色緑色から、赤色ないしは橙色になることを確認した

※この「ホタルルシフェラーゼ」の解説は、「ルシフェラーゼ」の解説の一部です。
「ホタルルシフェラーゼ」を含む「ルシフェラーゼ」の記事については、「ルシフェラーゼ」の概要を参照ください。

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