プセウドムギル属 Pseudomugil
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/17 06:59 UTC 版)
「レインボーフィッシュ」の記事における「プセウドムギル属 Pseudomugil」の解説
プセウドムギル属 Pseudomugilは、16種からなる。日本においては、他属のレインボーフィッシュでは特徴や生息地から付けられた○○・レインボーという呼称が多く見受けられるのに対し、本属の魚は学名をカナ読みした名前が多く用いられる傾向にある。 バタフライ・レインボー Pseudomugil gertrudae 英名 Spotted blue-eye。全長3cmほど、オーストラリア北部、ニューギニア島、アルー諸島などに分布し、熱帯雨林の小川や沼地などに生息する。縁の黒い鱗が全身に斑点のような模様を形作り、雄の背びれと尻びれは扇のように発達する。バタフライという名はやや上向きに付いた胸びれをはばたかせるように泳ぐことに由来し、同属のレインボーフィッシュに共通する特徴となっている。体色が黄緑色の個体が養殖によって多く流通するが、アルー諸島に生息する「アルーIV」と呼ばれる青白い個体も稀に見られる。なおアルーIVとはアルー諸島内の採集地によるコードネームであり、日本での流通は聞かれないがアルーI~IIIも発見されている。 ポポンデッタ・フルカタ Pseudomugil furcatus 英名 Forktail rainbowfish 。全長5cmほど。ニューギニア島東部の低地の一部にのみ生息する。細長い体で背ビレ、尻ビレ、尾ビレが黄色く発色する。ポポンデッタ (Popondetta) とはかつての属名で、Pseudomugil 属に統合された。似た種にポポンデッタ・コニエと呼ばれるPseudomugil connieaeがいるが、尾びれの上下の縁が黒くなるフルカタに対し、コニエは尾びれの中央部分が黒くなることから見分けることが出来る。 サザンブルーアイ・レインボー Pseudomugil signifer 英名Pacific blue-eye 。全長4㎝ほど。青い目を際立たせるような、透明感のある淡い黄色の体を持つ。オスのヒレは体よりも濃い黄色に染まり、縁は黒くなる。オーストラリア東海岸の広範囲の淡水域に分布し、地域変異によって色味や体格などが異なる。プセウドムギル科で最初に発見された種である。 プセウドムギル・パスカイ Pseudomugil paskai 英名 Paska's blue-eye。全長は3cmほどでバタフライ・レインボーの色違いのような体形をしており、ヒレは黄色、腹部はうっすら紫色に染まる。後述のティミカに似る部分があるが、本種は成熟しても地色がかなり薄く、背部に青いラインが現れないもしくは不鮮明である点が異なるとされる。水質悪化に気をつければ、飼育は難しくない。輸入が稀なので繁殖は困難。 プセウドムギル・ティミカ Pseudomugil luminatus 英名 Red neon blue-eye。日本では別名シュードムギル・ルミナータス、ファイアーレッド・レインボーとも。パスカイに似るため混同されたり、亜種と考えられパスカイsp.レッドネオンなどの名が用いられた事もあったが、イリアンジャヤの地名の「ティミカ」および2016年に付いた学名の「ルミナータス」が次第に定着していった。成熟したオスは濃いオレンジの体色を呈し背部に金属光沢のある青いラインが現れる。輸入の稀なパスカイとは対照的に、養殖個体の流通で急速に普及している。 プセウドムギル・シアノドーサリス Pseudomugil cyanodorsalis 英名 Neon blue-eyeまたはBlueback blue-eye。全長3cmほど。雄は各ひれが黄色と黒に染め分けられ、体側に青い光沢が見られる。オーストラリア北部の汽水域にあるマングローブ帯に生息する種。雨季には塩分濃度が著しく下がる水域のため純淡水にもある程度は耐えられるが、汽水を再現した弱アルカリ性の塩水の方が状態よく飼育できる。爽やかな体色で人気がある一方で、幻のレインボーフィッシュと称される事もあるほど流通は稀。
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