フロリダの前史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2016/04/25 00:36 UTC 版)
アジアから北アメリカに渡って来たパレオ・インディアン期の人々は、少なくとも14,000年前に、今日のフロリダ州となる地域に入ってきた。ウィスコンシン氷期の間に大量の水分が氷河に閉じ込められたために、海面は現在のレベルよりも100メートル下がっていた。その結果、フロリダ半島の大きさは現在の2倍ほどはあった。また、現在よりも乾燥し冷涼な気候であった。流れる川あるいは湿地帯もほとんど無かった。フロリダの大半の地域では、陥没穴や石灰岩の集水域でしか淡水が得られなかった。その結果、大半のパレオ・インディアン期の人々は現在の河床にあった水たまりや陥没穴、集水域(例えば、オーシラ川のペイジ・ラドソン遺跡)の回りで活動し、クローヴィス尖頭器を含みパレオ・インディアン期の遺物が豊富に出土している。 紀元前8,000年頃に氷河が後退し始め、フロリダの気候は暖かく湿度が高くなり、海面が上がった。パレオ・インディアンの文化は古期前期の文化に発展し、移り変わった。フロリダの人口が増え、もはや乾燥地の少ない水溜まりに囚われる必要がなかったので、より多くの遺跡に遺物が残されるようになった。古期前期の文化は紀元前5,000年頃に古期中期の文化に発展した。人々は湿地帯近くの集落に生活し始め、何世代にもわたって住むことのできる場所を好んだ。古期後期は紀元前3,000年ころに始まり、フロリダの気候は現在と同様になり、海面も現在のレベルに近付いた。人々は通例、淡水や海水の湿地帯に住んだ。この時代には大きな貝塚が築かれた。多くの人々がホーアズ・アイランドのような目的を持って造られた盛り土のある大きな集落に住んだ。紀元前2,000年までにフロリダでも土器が現れた。紀元前500年頃までに、フロリダではかなりの程度均質であった古期の文化が地域ごとの文化に分かれ始めた。 フロリダ東部と南部の古期以後の時代は比較的孤立して発展しており、ヨーロッパ人が最初に接触した頃にこの地域に住んでいた人々は、古期にこの地域に住んでいた人々の直系の子孫であった可能性がある。フロリダ・パンハンドル(鍋の取っ手)地域、北部およびフロリダ半島のメキシコ湾岸中部はミシシッピ文化の影響を強く受けているが、文化史の中で連続性があり、これらの文化で生活した人々は古期の人々の子孫でもあることを示唆している。パンハンドルや半島北部でトウモロコシの栽培が始まったが、南部のティムクア語を話す人々の部族ではまだ始まらないか非常に限られたものであった(すなわち、およそ現在のデイトナビーチからタンパベイの1点あるいはその北を結ぶ線より南)。
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