フリーダムハウスによる評価
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「報道の自由」の記事における「フリーダムハウスによる評価」の解説
フリーダム・ハウスによる評価年スコア順位当時の首相2002 17 18 小泉純一郎 2003 17 29 2004 18 33 2005 20 37 2006 20 35 2007 21 39 安倍晋三 2008 21 35 福田康夫 2009 21 33 麻生太郎 2010 21 32 鳩山由紀夫 2011 21 32 菅直人 2012 22 37 野田佳彦 2013 24 40 安倍晋三 2014 25 42 2015 25 41 2016 26 44 2017 27 48 アメリカ合衆国に本部を置く国際NGO「フリーダム・ハウス」の報告書における日本の評価は、順位の浮き沈みが大きい国境なき記者団の評価と比べて、一定して下落傾向にある(右図を参照)。 フリーダム・ハウスの評価スコアは、報道がもっとも自由であれば0、不自由であれば100となっている。日本のスコアは、小泉政権期の初めには17であったのが、小泉政権後期には20にまで増加し、その後はほぼ21から22を維持していたが、第2次・第3次安倍政権期(2013年 - )になるとスコアは漸増し、2017年には27に達した(世界48位に下落)。 2012年国別報告書2012年の国別報告書では、東京都青少年の健全な育成に関する条例の改正により表現の自由が制限された点、政府委員会が特定秘密保護法の制定を目指している点、記者クラブの存在により主要メディアが官僚や政治家と癒着関係にある点が問題視されている。また、記者クラブに加盟していないフリーランスの記者や外国人記者らが公式会見の場から締め出されているという問題点も指摘されている。さらに、フリーランスのジャーナリスト上杉隆が東京電力を批判したことを理由にTBSラジオの番組から降板させられた事例も紹介されている。そして、福島第一原発事故に関してメディアがきちんと追求しないことについて、「自主規制が日本の問題として残っている」とされている。 2013年国別報告書2013年の評価は前年から2ポイント下落した。この年の国別報告書でも引き続き東京都青少年の健全な育成に関する条例が問題視されているほか、ジャーナリストの田中稔が『週刊金曜日』で東京電力と白川司郎の癒着構造を報道した後に白川が田中に対して訴訟を起こしたことも問題視されている。さらにこの年も記者クラブの存在が批判されており、これが「日本のニュース・メディアの多様性や独立が欠落していること」につながっていると指摘されている。そして前年の報告書に引き続き、記者クラブによりフリーランスのジャーナリストや外国人記者が公式会見の場から締め出されていることが問題視されている。また、東京電力が年間244億円もの広告費を費やしており、それによりメディアが原発事故処理に関する報道を控えるようになっていることも指摘されている。加えて、ジャーナリストの多くが原子力産業と経済的関係をもっているともされている。 2014年国別報告書2014年は、前年よりさらに低いスコア25という評価が下された。この年の国別報告書では冒頭で特定秘密保護法の制定が紹介されている。この法により、内部告発者やジャーナリストも5年以下の懲役刑に処される可能性があることが懸念されている。また、前年に引き続きジャーナリスト田中稔が白川司郎によって訴えられた件も取り上げられている。また、前年に引き続き、記者クラブの問題点や原子力関連の報道における問題点も指摘されている。 2015年国別報告書2015年の国別報告書でも、特定秘密保護法の問題や東京電力の問題、記者クラブの問題などがあげられている。加えて、2014年11月に自民党が総選挙を前にテレビ局各社に「選挙報道の公平中立」などを求める要望書を渡したことも問題とされている。そして「ジャーナリストはしばしば政府からの直接的な圧力に直面している」と報告されている。 2016年・2017年国別報告書2016年のスコアは前年より低い26で、2017年には27とさらに悪化した。いずれも「政治状況」の悪化による。ただし2016年および2017年の報告書では日本に関する記述は掲載されておらず、スコアに関する詳細は不明である。
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