フリーソフトウェア・オープンソースソフトウェア運動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/10 04:45 UTC 版)
「プロプライエタリソフトウェア」の記事における「フリーソフトウェア・オープンソースソフトウェア運動」の解説
フリーソフトウェア財団(FSF)によれば、プロプライエタリソフトウェアの定義は、フリーソフトウェアまたは擬似フリーソフトウェア(semi-free software)の定義に当てはまらないあらゆるソフトウェアを指す。元々の字義的な意味としては、ソフトウェアに知的財産権を行使しうる者がおり、利用者ができることを制御するといった意味合いを持つ。FSFによれば、FSFが提供するGPLライセンスはソフトウェアに制限を設けることによりユーザがソフトウェアを使用、改変、複製できる自由を提供するとし、プロプライエタリ側のライセンスは知的財産権者のみに益があるもので、許容できないとしている。 「独占的」「プロプライエタリ的」といった形容詞を用いることの利点は単なる「商用ソフトウェア」との混同が避けられる点にある。つまり、フリーソフトウェア自体は、ソフトウェアの販売、商用目的利用を妨げるものではないからである。 プロプライエタリソフトウェアとの用語は、非フリーソフトウェアと言い換えることもでき、フリーソフトウェア運動側により用いられてきた語である。FSFの創始者リチャード・ストールマンは「user subjugate(ユーザ束縛ライセンス)」とも呼び、エベン・モグレンは「unfree software(不自由ソフトウェア)」との呼称も用いている。Debian開発者の間では、Debianフリーソフトウェアガイドラインに準拠しないソフトウェア全般の呼称として「non-free」との語が用いられており、一方、プロプライエタリソフトウェアとの語は特にソースコードを提供しない非フリーソフトウェアを指す語として使われている。また、オープンソース・イニシアティブは「closed source software(ソース非開示ソフトウェア)」との語を使用している。 マイクロソフトなどの独占的ソフトウェアの擁護側からの意見として、営利目的で利益を生む機会が高ければイノベーションがより加速されるということがある。占有者の側が、著作権および時として特許を利用して一時的な寡占状態になると、ソフトウェアの価格は高騰する。バージョン更新やアップグレード版への依存が強まることにより、競争相手となるようなソフトウェアパッケージが存在しなくなり、ベンダロックインと呼ばれる状況となる。プロプライエタリソフトウェアは特に売上収益の観点から、フリーソフトウェアよりも商産業や税収面において価値を産むと言われている。 プロプライエタリソフトウェアに対する著作権侵害を防止したり、ソフトウェア使用状況を確認したりするために、様々な種類のアクティベーションやライセンス管理といったシステムが出現している。占有者が製品を廃止したり、なんらかの理由からアクティベーションキーの提供を止めたり、製品を出荷停止したりすると、正規ユーザであっても既存のソフトウェア製品やその他ハードウェアを利用できなくなる。 あるソフトウェアパッケージの占有者が製品を出荷停止したり、有効期限を制限したり、サポートを停止したりすると、その製品の利用者は不便な状況に追い込まれ、そのソフトウェアに問題があったとしても、なんらサポートを受けられない事態に陥る。占有者は時として、経営上の問題からソフトウェア製品の更新やサポートを停止せざるをえない状況になることもある。営利企業では経営戦略、もしくは組織戦略上の目的から製品のサポートを停止する場合もある。その戦略は更新版へのアップグレードや最新版の購入増を見込んだものである場合もある。
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