フィリピンのアドボ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/08/07 13:26 UTC 版)
アドボはフィリピンの代表的な家庭料理で、フィリピン人の国民食である。もともとスペイン料理のアドバード(肉の漬け焼き)を起源としている。材料は骨付きの鶏(手羽)か豚(豚足)のいずれかを使うのが代表的で、鶏肉と豚肉を両方使うこともある。また、ジャガイモ、ニンジン、タマネギ、タケノコなどの野菜やエビ、ゆで卵を具に加えることもある。多量の酢を用いた漬け汁に肉を漬け込むために肉が柔らかくなり、保存性が高まる。レシピは各家庭や店によってまちまちだが、味付けにはニンニク、醤油かパティス、砂糖、粒の黒胡椒、ローリエなどを使うのが一般的である。日本のカレーライスのように、具と汁をご飯と同じ皿に盛ってスプーンとフォークで食べる。 レシピのバリエーションは非常に豊富で、煮汁を飛ばして日本料理の照り焼きのようにする例もあれば、シチューのように汁を残したものもある。獣肉ではなくイカを用いることも多く、この場合はイカ墨で煮汁が黒くなる。また、唐辛子で辛味を加えたものや、ココナッツミルクで煮込んで汁が白濁したもの、多量のグリーンピースと一緒に煮て汁が緑色をしたもの、牛肉や魚肉を用いるもの、ベニノキの種子を加えて汁に赤色がついたもの、ナスやエンサイ、オクラ、サヤインゲンなど野菜だけを煮たものもあり、外見も風味もまったく違う料理だが、いずれもアドボの一種である。共通しているのは、中心となる具材を酢に漬けて煮ることである。 豚肉のアドボが余ったら、煮汁と一緒に炒飯にしたり、スライスして焼き、白飯と卵料理に添えて朝食に食べたり、食パンにはさんでホットサンドにすることもある。 ハワイ料理のプレートランチのメニューにもよく使われる。
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