フィクションの中の鼻眼鏡
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/09 07:51 UTC 版)
鼻眼鏡の一般的だった時代を舞台としたフィクションには、時代考証の結果として鼻眼鏡をかけた人物が登場する。例えば、19世紀のスイスおよびドイツを舞台にしたアニメ『アルプスの少女ハイジ』に登場するガヴァネスの女性ロッテンマイヤーは、鼻眼鏡に付けた紐か鎖を襟の後ろに留めているように描写されている。ただし、左右どちらのレンズに付けているかは場面によってまちまちである。 鼻眼鏡の流行したビクトリア朝時代のイギリスを舞台としたフィクションとしては、シャーロック・ホームズシリーズの一編、『金縁の鼻眼鏡』で鼻眼鏡が犯人の手掛かりとなった。同シリーズを翻案して犬のキャラクターでアニメーション化した『名探偵ホームズ』にも、警官や銀行員など、鼻眼鏡をかけた脇役が登場する。ビクトリア朝時代の風俗に現代と異なる科学技術を仮定したSFのジャンルであるスチームパンクとしては、映画『天空の城ラピュタ』でドーラが地図を検討する場面で鼻眼鏡をかけている。 1930年代には鼻眼鏡は一般的でなくなりつつあったが、この時期のイギリスを舞台にしたテレビドラマ『名探偵ポワロ』では、主人公のポワロが手紙を読み書きするときなどに紐のついたバー・スプリング型の鼻眼鏡をかける。 鼻眼鏡の一般的に使用された最後の時代に当たる1944年に当時を舞台としてアメリカ陸軍航空軍第1映画部隊によって制作されたアニメーション映画『カモフラージュ』では、迷彩について講義する擬人化されたカメレオン、ミスター・カメレオンが鼻眼鏡をかけ、右レンズにつけた鎖か紐を襟に留めている。 鼻眼鏡の廃れた第二次世界大戦後、あるいは未来を舞台にしたフィクションでは、『機動戦士ガンダム』(1979)およびその続編に登場するデギン・ソド・ザビや、映画『うる星やつら2_ビューティフル・ドリーマー』(1984)の夢邪鬼、映画『バーシャ! 踊る夕陽のビッグボス』(1995)の主人公マニカムの裏の顔「バーシャ」、映画『マトリックス』(1999)から始まるシリーズ三部作のモーフィアスが鼻眼鏡のサングラスをかけている。ただし、2021年の続編『マトリックスリザレクション』では、モーフィアスを演じる俳優が変更されるとともに衣装が変更され、サングラスも鼻眼鏡から耳掛け眼鏡にかけ替えた。21世紀初頭の日本に呪術の隆盛を仮定した漫画『呪術廻戦』(2017-)およびそれを原作としたアニメに登場する七海建人も、ゴーグルのように側面まで目を覆う鼻眼鏡のサングラスをかける。
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