バティの国際法観および国際関係観とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > ウィキペディア小見出し辞書 > バティの国際法観および国際関係観の意味・解説 

バティの国際法観および国際関係観

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/18 18:56 UTC 版)

トマス・バティ」の記事における「バティの国際法観および国際関係観」の解説

第一次世界大戦後国際連盟ができたことに伴い国際法は、慣習理性に基づく諸権利係る諸原則立脚する主権論理比し国際的なフォーラムにおける諸国家の実態practice)に、より関心を寄せるようになった、しかし、バティこのような考え与しなかった。 彼は1930年上梓した"The Canons of International Law"(国際法規準)という著書の中で、あらゆる国際法が抱かなければならない規準として、単純性、確実性客観性弾力性4つ挙げている。 バティ国際法観は当時潮流からしてみれば異端であったが、彼のこのような国際法観を基礎にした国際関係におけるアプローチ仕方前述したように先駆的であったと言えるそのような国際法観に立脚して日本中国係る国際法的諸問題について日本擁護する議論展開していった。そしてまた日本政府1931年満州事変起きると、「(1920年代中国について中国全体当局ないし統一的コントロールをする主体存在しないことから、国際法的に特定の中国政府着目して他国中国国家承認を行うことはできない」とするバティ国際法観を援用し、国際連盟訴えたのであるバティ前述した国際法規準』(1930年発表)の中で、「当時中国は『記憶待望』の中に存在する地理的表現過ぎず主要な政権だけで南京国民党政権奉天Mukden)の張作霖軍閥政権二つがあり、その二者間で内戦が行われていた中にあって、中国領域法的には誰のものでもなく、日本には、現地日本人保護するために中国特定の地域軍事介入する権利もとより欲すればその地域併合する権利さえある」という論理展開したが、その論理日本政府満州事変用いた。 つまり日本政府側は、中国国家としての体を為していないのだから、満州中国より分離せしめる日本側の行動は、中国保全是認するところの九カ国条約違背するものでもなく、いわんや国際連盟規約その他の恒久的協定条約違背するものではない、と主張した。 しかし、リットン報告書このような日本側の主張退けたので、バティは、この報告書対す日本政府反論を、事実上一人書き上げることになり、また翌1932年には、日本による満州国承認が、中国一体性保持謳った1922年九カ国条約違反にはあたらない、という日本政府報告書書き上げた。 以上が、彼が日本の対支政策国際法照らし合わせて論じる際に用いた自身国際法観と国際関係観の概要である。 しかし、これは前述したように、当時日本対中国政策是非を問う際に論じられたところの法律論的な側面にすぎないことに注意しなければならないこれだけでは、なぜバティ日本対し強いシンパシー抱いていたのかがわからないばかりではなく、彼を誤解する危険性生じてしまうからである。 以下における項目は当時行われていた議論の違う側面焦点をあてる事によって、なぜバティを含む一部イギリス人日本対中政策共感示したのかを明らかにした上でバティ親日的行動背景婉曲的補完するのである

※この「バティの国際法観および国際関係観」の解説は、「トマス・バティ」の解説の一部です。
「バティの国際法観および国際関係観」を含む「トマス・バティ」の記事については、「トマス・バティ」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「バティの国際法観および国際関係観」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「バティの国際法観および国際関係観」の関連用語

バティの国際法観および国際関係観のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



バティの国際法観および国際関係観のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのトマス・バティ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS