トランス・アラスカ・パイプライン
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トランス-アラスカ・パイプラインシステム (Trans-Alaska Pipeline System) は、アラスカを南北に縦断する石油パイプライン。総延長は約1300kmに及ぶ。
アメリカ合衆国・アラスカ州にあり、北部の油田地帯プルドーベイと南部の港バルディーズを結ぶ。1974年に工事が始まり、1977年に完成した。
構造
11のポンプステーションがあり、それぞれ4台のポンプで構成されている。電動式のポンプはディーゼル若しくは天然ガスで発電された電気で作動する。計画時には12のポンプステーションが予定されていたが、実際に建設されたのは11だった。 一部の地域では永久凍土上にパイプラインが敷設されており、パイプラインの熱で永久凍土が融けないように杭にはヒートパイプが採用されており、地中の温度が大気温より高い場合は伝導して地中の温度を放熱器から放熱する事により地中の温度を冷やし、大気の温度の方が地中の温度よりも高い場合には熱を遮断する構造になっており、永久凍土が溶け出すことを防ぐ構造になっている。これにより、打ち込む杭の深さが浅くても済むようになっている。
パイプの直径は48インチ(1,219ミリメートル)で、全て日本製(当時の新日本製鐵)であり、厳しい温度変化による金属の伸び縮みを考慮した結果ジグザグに配置されている。
関連項目
外部リンク
トランスアラスカパイプライン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 15:14 UTC 版)
「アラスカの歴史」の記事における「トランスアラスカパイプライン」の解説
アラスカ北極圏とバルディーズの間には、三つの山脈、活断層、不安定な沼地と凍土、カリブーとヘラジカが移動に使う小道がある。不安定な地盤の悪影響を和らげ、動物の移動を阻害しないために、全長1300kmのトランス-アラスカ パイプライン システムの半分は高架状になっている。こうすることで、永久凍土が融けるのを防ぎ、地形を自然のままに残すことができるのである。また地震による破断が起こらないように、パイプラインはジグザクに配置してゆとりをもたせている。初生産の原油は1977年7月28日バルディーズに到着した。パイプライン敷設とバルディーズ港のタンカー埠頭建設、12のポンプ基地、ユーコンリバーブリッジなど全ての付帯事業にかかった総額は80億ドルに達した。 思いがけない石油の発見があってから州の一人当たりの収入は上昇し、名目上はすべての地域が恩恵を受けた。アラスカの指導者の間にはかつて毛皮や金が枯渇したときにアラスカが陥った経済的苦境の二の舞に陥ってはならないという思いが強くあった。1976年、アラスカの人々は州憲法を改正してアラスカ永久基金を設立した。これは州の鉱物資源の関連事業とトランスアラスカパイプラインから得られる税収の一部を「すべてのアラスカ人の利益のために」投資するものである。ミネラルリース (土地所有者が掘削業者から得られる対価) の収益の25%は基金に入れられ、基金が生んだ利益は三つの方法で分配される。資格のある全ての住民に分配金を渡す、インフラ整備に使う、州議会の基金にいれる、である。アラスカ永久基金はアメリカで最も多くの金額をプールしている基金で、合衆国政府に対して最も多くの貸付を行っている基金でもある。1993年以来、基金は生産量が減少して21世紀の早い時期に枯渇するといわれているプルドー・ベイの油田よりも収益を上げている。2005年3月現在、基金の価値は300億ドルにもなる。
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