トランスインピーダンスアンプとは? わかりやすく解説

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トランスインピーダンスアンプ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/05/27 07:32 UTC 版)

図1 単純化されたトランスインピーダンスアンプ

トランスインピーダンスアンプ(TIA)とは、オペアンプを用いて電流電圧に変換する変換器である。トランスインピーダンスアンプはガイガー=ミュラー計数管光電子増倍管加速度計、光検出器、その他センサーからの電流出力を、使いやすい電圧に変換するために用いられる。[1] トランスインピーダンスアンプは、電圧よりも電流の方がより線形に近い応答を示すセンサーに用いられる。フォトダイオードの場合、多様な入力光に対する電流の応答の非線形性が1%以下であることも珍しくない。トランスインピーダンスアンプはフォトダイオードに対して低インピーダンスとして振る舞い、フォトダイオードをオペアンプの出力電圧から絶縁する。 最も単純な形はフィードバック抵抗 Rf のみからなる。このアンプのゲインはこの抵抗値で決まり、その値は -Rf となる。 トランスインピーダンスアンプにはいくつかの種類の配置があり、それぞれが特定の応用に向いている。それら全てに共通する要素は、センサーからの低レベルの電流を電圧に変換することである。ゲイン、バンド幅、電流と電圧のオフセットはセンサーの種類によって異なり、異なる配置のトランスインピーダンスアンプを必要とする。[2]

直流での動作

図1の回路において、フォトダイオード(電流源)はグラウンドとオペアンプの入力の間に接続されている。オペアンプのもう一方の入力もグラウンドに設置されている。これにより、フォトダイオードにとっての負荷が低インピーダンスになり、フォトダイオードの電圧は低く保たれる。このフォトダイオードはバイアスなく光起電力を発生させるように動作する。オペアンプの高いゲインにより、フォトダイオードの電流は フィードバック電流と等しくなるように保たれ、Rf を流れる。フォトダイオードのオフセット電圧はとても低い。これにより、大きなオフセット出力電圧なしに、大きなゲインを得ることができる。この構成は、低レベルで大きなゲインを必要としているフォトダイオードに用いられる。

トランスインピーダンスアンプの、DCおよび低周波数域でのゲインは以下の式で表される。

図2 フォトダイオードを用いたトランスインピーダンスアンプ

光導電モードで動作するフォトダイオードでは、図2のようにトランスインピーダンスアンプを使用することができる。逆バイアスによって空乏層の幅が広がり、キャパシタンスが低下することで、高周波数域での性能が向上する。通常は、安定性の向上のためにフィードバック容量Cf が必要となる。

関連項目

出典

参考文献

  1. ^ Electronic Principles Paul E. Gray, Campbell Searle, pg. 641
  2. ^ The Art of Electronics, Horowitz and Hill
  3. ^ Lafevre, K. (2012). Design of a Modified Cherry-Hooper Transimpedance Amplifier with Dc Offset Cancellation. BiblioBazaar. ISBN 978-1-249-07817-3. https://books.google.com/books?id=ZmGQMAEACAAJ 2020年11月12日閲覧。 



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