デザインと設備
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/06 23:00 UTC 版)
「ブルジュ・ハリファ」の記事における「デザインと設備」の解説
設計は、シカゴのウィリス・タワーやニューヨークの1 ワールドトレードセンターで実績を持つSOMが担当した。ブルジュ・ハリファはファズラー・ラフマーン・カーンが開発した、束ねられたチューブ構造(英語版)が採用された。このシステムによって、使用する鋼材はエンパイア・ステート・ビルディングの半分に抑えられた。設計には、フランク・ロイド・ライトが考えた1マイル高のビルザ・イリノイ計画の構想が影響を及ぼしている。デザインチームのメンバーだったSOMの建築家マーシャル・ストラバラによると、ブルジュ・ハリファのデザインでは、ソウルのタワーパレス3 G棟(英語版)73階建て住居がベースになったという。計画の当初、ブルジュ・ハリファは全室が居住用で計画されていた。 ブルジュ・ハリファは、イスラーム建築で表現される柄からデザインされた。SOMの構造エンジニアであるビル・ベーカーによると、デザインの際に特定の文化的や歴史的な要素が取り込まれた。翼形状が外側に伸びるY字型の断面は、景観や自然光が差込むのに適し、住居やホテル用途には理想的である。主要設計技師のエイドリアン・スミスは、ビルが持つ3つの切り欠きはヒメノカリス(英語版)の花から連想したという。ビルは中央のコアを取り囲む3つ構成部分で成り立っている。沙漠の地表から上に行くに従って、各構成部分は敷地境界線から後退(セットバック)して螺旋形状を取りながら、上階の床面積がより小さくなってゆく。テラスは27箇所にある。先端になると中央のコアが露出し、その上に尖塔が設置されている。Y字型の床は、ペルシア湾の展望が最も良く見えるようデザインされている。上空から見下ろしたり、地表から見上げると、建物はイスラーム建築のオニオンドームを連想させるように見える。尖塔の先の揺れは、幅1.5 m (4.9 ft) に及ぶ。 空前の高さを持つビルを支持するため、六角形のコア部が3方向から構成部分によって補強されるY字型形状を持たせた「バットレスト・コア」という新規構造が開発された。この構造によって建物は自ら外側から支え、ねじれを防ぐことを可能とする。 尖塔は4000 t以上の重さを持つ構造用鋼鉄で作られている。中央の頂上パイプは350 tあり、建物の中央からストラット・ジャッキ(英語版)で200 m (660 ft) の高さまで吊り上げられた。この尖塔部分は通信装置を収容している。 外構は、142,000 m2 (1,528,000 sq ft) にもおよぶ反射ガラスと、縦置き管状ファンを備えたアルミニウムおよびステンレス鋼製の窓小間(英語版)パネルが用いられた。これらは、ドバイの極端に暑い夏季の気温に耐えられるように設計されている。 巨大ビルの質量から来る極度の圧力に耐えられるよう、コンクリートは特別な配合のものが使われ、鉄筋コンクリート構造でよく行われるように、所定の圧力に耐え得ることを確認する検査がバッチ毎に実施された。クリープや収縮の検査はCTL社が担当した。
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