デザインと衣裳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/09 11:33 UTC 版)
(デンマーク語版) メダル(図2) は長さおよそ5センチメートル、金地に白いエナメルで象を彩り背中に青い布を表したものである。象に載せた見張り塔は石積みをエナメルでピンクに彩色、テーブル・カットのダイアモンドを象の額と両目の3ヵ所にはめ、塔の基部と胸壁の下にもぐるりとめぐらせてある。また象の背にすわる色鮮やかな衣裳にターバンを巻いたムーア人の象使いは、手に金色の棒を握っている。象の右腹にテーブルカットの大粒のダイアモンド5粒を十字に組み、左腹に勲章をデザインした当時の国王の頭文字を飾り彫りするとクラウンで装飾したのである。見張り塔の上部にとりつけた金の輪を用い、頸飾あるいは大綬に留めつける。純金製で象と塔を交互に連ねた頸飾 (図3・下) は法令によると元旦 (デンマーク王家宮廷参内) と重要な儀式 (戴冠式や祝典) にのみ佩用する。 十字の軸に2つずつ角のあるエレファント勲章の星章 (図3・右) は、まさに輝く星のように宝飾が中心から放射状に広がる。中心の赤いエナメル彩色の円盤を銀の葉冠でとりまき、中に白い十字形を置く。大綬は水色の絹のモアレで、幅は男性用10センチメートル、女性用6センチメートル。左肩にかけ勲章を右腰に佩用する。大綬と頸飾は同時に用いない。 もともと勲騎士は勲章に合わせた身だしなみが規定され、マントをまとって厳粛な行事、例えばデンマーク王家の戴冠式に参列したのである。白のプールポワン (上着) 、白いズボン、白靴下に白い靴を身に着け、赤いマントをまとう。マントは裏地が白く、左胸の星章は銀糸の刺繍であった。上にはおる白い立て襟のケープには炎の模様を金糸で縫い取り、頸飾はこのケープの上につけた (マントをつけるときは大綬を使わず、勲章は頸飾で佩用)。マントに合わせる黒い帽子もあり白と赤のダチョウの羽飾りが付いたのだが、ダンネブロ勲章の騎士がまとう衣裳もこの一式とほぼ同じである。 エレファント勲章の受章者が亡くなると勲章は返納する決まりではあるものの、過去には例外もあった。 パレ・ド・ジュスティスは、頸飾を展示品として収蔵。(フランス・パリ) 元アメリカ大統領が受章したエレファント勲章の頸飾はアイゼンハワー大統領センターが保管。 (アメリカ・カンザス州アビリーン)
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