テクノソフト (ゲーム会社)とは? わかりやすく解説

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テクノソフト (ゲーム会社)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/09 17:23 UTC 版)

株式会社テクノソフト
Technosoft Co.,Ltd.
種類 株式会社
本社所在地 日本
859-3216
長崎県佐世保市勝海町165番1号
設立 1982年4月
業種 情報・通信業
法人番号 1310001005734
事業内容 各種ソフト開発、マルチメディア関連事業
代表者 代表取締役社長 大園富美男
資本金 2億2千万円
メインバンク
関係する人物
  • 松岡和江(常務取締役)
  • 大園重志(取締役)
  • 大園シヅエ(取締役)
外部リンク 公式サイト - ウェイバックマシン(2001年5月16日アーカイブ分)
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株式会社テクノソフト: Technosoft Co.,Ltd.)は、かつて存在した主にコンピュータゲームを制作・販売していた日本の企業。

初期にはTecno Softと表記したが1992年頃からはTechnosoftとも表記していた。これは商標登録の際に社長が綴りを間違ったため[1]とのこと。

歴史

当初は8ビットパソコン向けのコンピュータゲーム(パソコンゲーム)を中心にソフトウェアを制作・販売していた。ゲームソフトの他にも画像処理ソフトウェアの一種である『グラフィックツールセット』(『パターンエディター』と『ラインエディター』)やタイピングソフト逆アセンブラなどのソフトウェアもリリースした事がある。

パソコンゲーム黎明期からソフトウェアをリリースしており、『スタートレック』などをモチーフとした3Dリアルタイム宇宙戦艦シミュレーション『スターフリート/B』や、日本のパソコンゲームでは初のポリゴンを使ったレースゲームプラズマライン』をリリース、多くのファンを獲得し中堅メーカーとしての認知を得ていた。また、1980年代の同社は互換性の無い機種が乱立した当時のパソコン業界に於いて、8ビット御三家のような主要市場向けのみならず、IBM JXの様なマイナーに終わった機種、MSXPC-6001mkIIなどの廉価機種向けまで幅広い機種で同社タイトルをリリースしていた。

1989年以降、パソコンゲームでヒットした同社シューティングゲームの人気タイトルを、メガドライブなどコンシューマーゲームにも移植ないしシリーズ作品として自社でリリースしたことでコンシューマーゲーム機での開発ノウハウを取得し、1990年代はコンシューマーゲーム機に注力し、また他社ブランドへの製品供給も行っていた。一時期は佐世保市内に自社ビル「テクノビル」[注 1]を構えるまでになっていたが、1999年の新作『ネオリュード 刻まれた紋章』が最後の作品になった。

Webサイトのドメインは、http://ts.to/等のドメインも使用していた。

経営面では、大学サークルの延長線上にあるという評[2]もあり、給与については元社員から不満が漏らされることがある[2][3][4]反面、その経験が糧となったとしている者も居る[2][3]

1999年12月、経営不振に陥り、ゲーム開発から撤退。撤退前の同年8月には営業職であった山倉千賀子を中心に元スタッフ9名を加えて『ガンバリオン』を設立。2000年6月、公式サイトで機材の売却が始まり、版権もトゥウェンティワンに譲渡。これにより、テクノソフトは2001年頃に会社としての歴史に幕を閉じた。

法人消滅後

テクノソフト時代の商標の登録は、法人ではなく松岡和江の個人名で申請がなされており[5]、セガサミーグループ(株式会社セガホールディングス、株式会社セガゲームス)に権利を譲渡する2016年9月までの間、21件の登録が存在し、その中には九十九百太郎など、所属していたスタッフのペンネームも含まれていた。2016年9月現在、それらの名義は全て株式会社セガゲームスに書き換わっている。

2008年夏に開始されたトゥエンティワン有限会社によるテクノソフトブランドでの活動はライセンス許諾と著作権管理、同社の過去製品に関連する音楽コンテンツCD、ポストカード等のアイテムの再生産品の販売となっていた。また、前述の登録状態のため、新規に許諾された製品のコピーライトにはK.Matsuokaの名前が併記されていた。 2016年5月初旬時点で他社へのライセンス許諾は全て満了、新規の申請のためのリンクも外され、表向きの活動は前述の製品に関連するアイテムの通信販売のみとなった。更に、2016年5月17日にメールアドレス、電話番号の表記は残っていたが、問い合わせへの返答は行わない旨、ならびに動きがあれば月末にWebサイトに掲載する旨の表記を残し、オンラインストアも一時閉鎖となる。後述の権利譲渡発表を待って、TecnoSoft Brand Web.がリニューアルされ、作品ではなく商品にフィーチャーしたサイトに変更され、テクノソフトブランド商品は株式会社セガゲームスよりトゥエンティワン有限会社が販売権の許諾を得て営業している旨が明記された。オンラインストアの商品は2016年9月24日現在も登録は無く休止状態ではあるが、各種音楽配信サイトへのリンクがブラントのトップページに用意され、ダウンロード購入できるようになった[6]

2016年9月17日、東京ゲームショウ2016のセガブースにて、テクノソフトに関する知的財産権をセガが取得したことが発表された。この権利取得実現については、2014年の9月に元テクノソフト社長であった大園富美男が逝去、生前に「テクノソフトのブランドを途切れさせたくない、引き受けてくれるのはセガさんしかないんじゃないか?」と元テクノソフト開発室長、現インタラクティブラボラトリー取締役副社長である新井直介に話していたことから始まった[7]。上記の通りトゥエンティワン有限会社に権利があったが、前述の話からセガゲームスの奥成洋輔に連絡を取り実現の運びとなった[8][7]。尚、テクノソフトブランドを冠するグッズ、及び音楽商品のデジタル配信はトゥエンティワン有限会社が引き続き行うことと、2016年9月現在、音楽アルバム6作品が各デジタルミュージックストアにて配信中となっていることも発表された[9]

沿革

  • 1980年2月 - 佐世保マイコンセンターとして創業。
  • 1982年4月 - テクノソフトとして名を変えて設立。
  • 1989年6月15日 - 『サンダーフォースII MD』でメガドライブ向けゲームソフトの制作・販売に参入。
  • 1994年12月3日 - 『熱血親子』でプレイステーション向けゲームソフトの制作・販売に参入。
  • 1995年7月21日 - 『熱血親子』でセガサターン向けのゲームソフトの制作・販売に参入。
  • 1999年12月16日 - 『ネオリュード 刻まれた紋章』発売。
    • これと前後として、ゲーム制作撤退あるいは倒産という情報が各所で流れる[10]。一部スタッフは『ガンバリオン』を設立し独立。以降、テクノソフト名義で発売された新作は無い。
  • 2000年6月 - 公式サイトで機材の売却が始まる[11]
  • 2001年 - 情報処理・貸しビル業のトゥウェンティワンが著作権関係などを引き継ぎ、事実上の休眠会社であったテクノソフトが消滅する。
  • 2002年前半 - 会社サイトのリニューアルの告知を行ったが、特記すべき動きはなかった。
  • 2007年夏 - 公式トップが更新され、何らかの動きがあることが示された。
  • 2008年夏 - 『サンダーフォースVI』発表と同時に、ライセンス使用許諾の業務開始予定の一文が公式ホームページに記された。
  • 2010年6月 - 活動中に販売されていたグッズを中心に直販サイトが立ち上がり、品切れ商品の再生産などが予告される。
  • 2016年
    • 4月28日 - ゲームアーカイブスでの配信終了。Webページからは許諾申請のリンクが消える。
    • 5月17日 - 直販サイトの閉店。一時的とはされているものの、再開については未定となっていた。
    • 9月17日 - セガホールディングスがテクノソフトの知的財産権を、セガゲームスが製造・販売権をそれぞれ取得した事を発表。
  • 2019年 - 公式サイトでテクノソフトブランドの物品取り扱いを終了した事が記されており、ゲームサントラ楽曲配信も終了している。しばらくこれらの告知が掲載された後に公式サイトも2019年内に消滅している。これによって最後のコンテンツだった公式サイトが終了した事で創業から存在したテクノソフト公式コンテンツは全て消滅した事となる。

開発・販売タイトル

開発協力

関連人物

関連項目

脚注

注釈

  1. ^ 現在は版権管理も行っているトゥエンティワン有限会社の住所となっている。
  2. ^ 創業時の社名はアルシスソフトウエア。

出典

  1. ^ 吉村ことり(Twitter)
  2. ^ a b c ヨシ君のオンラインゲーム日記
  3. ^ a b facebook内の大園氏訃報の記事
  4. ^ a b 未来かたる「1億円プレイヤー」への道(21) <特別編>[リンク切れ]
  5. ^ 特許情報プラットフォーム[リンク切れ]から確認が可能であった。
  6. ^ TecnoSoft Brand Web.[リンク切れ]
  7. ^ a b 馬波レイ (2016年10月8日). “『サンダーフォースIII』はいかにして『セガ3D復刻アーカイブス3』に収録されることになったのか? 元テクノソフト新井氏を交えてのスタッフインタビュー”. ファミ通. KADOKAWA. 2020年11月23日閲覧。
  8. ^ 株式会社インプレス (2016年9月17日). “「セガ3D復刻アーカイブス3 FINAL STAGE」に「サンダーフォースIII」収録!! テクノソフトの権利をセガが取得、元テクノソフトの新井氏も登場して経緯を語った”. GAME Watch. 2020年11月23日閲覧。
  9. ^ TGS 2016「サンダーフォースIII」の立体視リメイクが「セガ3D復刻アーカイブス3」に収録。セガゲームスによるテクノソフト全タイトルの権利取得も発表
  10. ^ 日記[リンク切れ]
  11. ^ 旧機材リセール
  12. ^ 冒険だけでなくファンタジー世界での日常も描いているシミュレーションRPG。金を稼いで店を大きくするというゲームの目的は『トルネコの大冒険シリーズ』に似通った部分がある。
    株式会社QBQ編 『プレイステーションクソゲー番付』マイウェイ出版発行、2018年。ISBN 9784865118346 p89

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