ソンゾーニョ社の野望とは? わかりやすく解説

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ソンゾーニョ社の野望

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/25 08:59 UTC 版)

ソンゾーニョ・コンクール」の記事における「ソンゾーニョ社の野望」の解説

ソンゾーニョ社はもともと、1804年にジョヴァンニ・バティスタ・ソンゾーニョによって文学出版社Casa Editrice Sonzognoとして設立されフランス文学例えヴィクトル・ユゴー翻訳出版などによって斯界では一定の地位得ていた。また同社日刊新聞 "Il Secolo" は19世紀中頃イタリア統一国家形成支持するラディカル進歩的な論陣張りイタリア最大発行部数誇っていた。 しかし創業者の孫であり、劇作家あるいは舞台俳優として活躍したことがあったエドアルド・ソンゾーニョ(1836年 - 1920年)はこういった単なる文学・時事関連出版としての地位飽き足らず音楽出版部門Casa Musicale Sonzognoを1874年設立した同社はまず、フランス音楽研究権威として知られるアミントーレ・ガッリ(後にミラノ音楽院教授)を音楽分野アドヴァイザーとして据える。また音楽雑誌分野では、リコルディ社権威ある週刊誌 "Gazzetta musicale di Milano" に対抗して隔月刊 "Il teatro illustrato" 誌ならびに "La musica popolare" 誌を刊行した。 しかし、イタリアにおける音楽出版業の主戦場は、やはりオペラ楽譜出版であった。ソンゾーニョ社が音楽分野進出した1874年当時、すでに物故した大家ロッシーニベッリーニドニゼッティ、および存命中でありイタリア・オペラ界の頂点として君臨していたヴェルディ版権全てリコルディ社に、イタリアで中堅作曲家のそれはリコルディ社とそのライヴァルルッカ社に占有されるという寡占状態を呈していた。また、ルッカ社は巨費投じてオーベールマイアベーアなどフランスグランド・オペラ既存の主要作、ならびにドイツからはワーグナー作品版権購入しワーグナー作品積極的に紹介することでイタリアにおけるワーグナー受容進展もたらした(もっともルッカ社は、こうした先行投資負担一因経営不振に陥り、1888年リコルディ社事実上吸収合併される憂き目に遭う)。 イタリアフランスドイツ既存作品食い入ることのできないソンゾーニョ社は、アドヴァイザーであるガッリのフランス楽壇対すコネクション活かす形で、まずはフランスからオペラ・コミックグランド・オペラ異なり台詞含んだ形式)のイタリアにおける版権取得する。この企業戦略1875年パリ初演されビゼーの『カルメン』という金の卵として結実した。『カルメン』は1880年ナポリイタリア初演された後、イタリア半島各地再演され大好評博した同社はこの余勢を駆ってリコルディルッカ両社にまだ囲い込まれていないイタリア人新人作曲家発掘試みる。そのための手段がコンクール開催だった。

※この「ソンゾーニョ社の野望」の解説は、「ソンゾーニョ・コンクール」の解説の一部です。
「ソンゾーニョ社の野望」を含む「ソンゾーニョ・コンクール」の記事については、「ソンゾーニョ・コンクール」の概要を参照ください。

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