ソフトウェア工学の発達とは? わかりやすく解説

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ソフトウェア工学の発達

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/30 00:16 UTC 版)

ソフトウェア特許論争」の記事における「ソフトウェア工学の発達」の解説

1980年以前特許運用では、この機械語にかかるしくみを主に「ソフトウェア」と考えていたと推定され国際特許分類IPC)でも、専ら電気的デジタルデータ処理(G06F)」に分類されてきたものである。したがって機械語にかかるしくみを「ソフトウェア」と考えていた時代においては、「抽象的概念」と、「一連の動作命令語群により記述したデータ処理のしくみ」は明確に区別可能であり、その対象物表現差異により、発明か否か判断されていたと考えることができるであろう。 ソフトウェア工学の発達により、1990年頃特許運用では、徐々にプログラミング言語書かれプログラムを「ソフトウェア」と考えるように推移していったものと考えられる。その基本的思想においてはどのように動作するかを理解可能かつ再現可能に記載してあることが重要であり、対象物どのような形態をしているかについては、特段関心払われなかった。しかしながらソフトウェア工学においては理論的もしくは技術的な思想であっても、その思想が、必ずしも電気的なデジタルデータ処理等を前提にしているものではない。たとえば、コンピュータインタフェース概念、あるいは、コンパイラ構文解析論やオブジェクト指向概念などは、独立した抽象的な論理概念であり、その抽象的概念においては、必ずしもコンピュータにおける物理的な構成との関連性前提としていないまた、このような抽象概念自体分類するための国際特許分類IPC)は存在していない。 ソフトウェア工学の発達は、低級言語から高級言語へと、より高度に抽象的な思考により、コンピュータ簡潔に操作可能にするための環境を提供可能にした。それに従って従来の「ソフトウェア」の考え方は、徐々に抽象的な概念世界へ対象領域拡大されていったまた、GUI発達により、描画領域の定義(アイコンポインタ)、表示形式などのインタフェースが、コンピュータ主要な入出力手段になるに従い、これらのインタフェース表示手法自体重要な意味合い有するようになってきた。このような技術的環境の変化にもかかわらず特許世界では従来の分類手法発明概念把握手法延長して適用することで、ソフトウェアに関する発明受け入れようとしてきた。しかしながら、これらの手法は、そろそろ限界迎えようとしている。たとえば、近年システムソリューションにおける基本的原理は、抽象的な思想領域展開される概念的手法であり、旧来のソフトウェアによって把握される概念領域とは全く異質のものである。すると、どのようなことが起きであろうか?発明者経営者思い描くソフトウェア」の世界と、特許世界住んでいる人の思い描くソフトウェア」の世界とでは、似ても似つかない概念共有されることになろう。このように当該問題は、世界中特許システム抱えている本質的な問題であり、また、根深い世代技術文化的な対立をも内包している。

※この「ソフトウェア工学の発達」の解説は、「ソフトウェア特許論争」の解説の一部です。
「ソフトウェア工学の発達」を含む「ソフトウェア特許論争」の記事については、「ソフトウェア特許論争」の概要を参照ください。

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