ソフトウェア工学の最近の傾向
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/27 14:06 UTC 版)
「ソフトウェア工学」の記事における「ソフトウェア工学の最近の傾向」の解説
ソフトウェア工学はまだ若い分野であり、今も発展し続けている。最近のソフトウェア工学の重要な傾向を以下に示す。 アスペクト指向プログラミング ソースコードの様々な場所に定型的コードを追加・削除するツールを提供することで、品質を高める支援をする。アスペクトには、あらゆるオブジェクトや関数が特定の状況でどう振舞うべきかを記述している。例えば、アスペクトを使って、特定の型の全オブジェクトにデバッグ機能、ロギング機能、ロック機能などを追加できる。現在は、アスペクトを使って汎用コードを設計する方法の研究が進んでいる。関連する概念として、自動プログラミングやテンプレートがある。 アジャイルソフトウェア開発 目まぐるしく変化する市場に素早く対応できるソフトウェア開発の手法。この手法の信奉者は、従来型の文書を多用する手法は徐々に消えていくと信じている。関連する概念として、エクストリーム・プログラミングやリーンソフトウェア開発がある。 実証的ソフトウェア工学 ソフトウェア上で実験を行うことを重視する分野。実際の,もしくは実験的なソフトウェア開発作業やその開発履歴からデータを収集および分析し、そこから法則や理論を導き出そうとする。この手法の信奉者は、実用的な知見を得るためには、現実に存在するソフトウェアやその開発作業に対して手法を適用しその結果を評価することが必要であると考えている。 DevOps 開発 (Development) と運用 (Operations) を組み合わせたかばん語であり、開発担当者と運用担当者が連携して協力する(さらに両担当者の境目もあいまいにする)ソフトウェア開発の手法。ソフトウェアを迅速にビルドおよびテストする文化と環境により、確実なリリースを、以前よりも迅速に高い頻繁で可能とする組織体勢の構築を目指している。さらにDevOpsとセキュリティ(Security)を融合させるDevSecOpsに発展している。 モデル駆動工学 設計段階でテキストと図を使ったモデルを構築する。モデル変換やコード生成のツールを使って、モデルからコードの断片を抽出し、その後の開発に役立てる。 ソフトウェアプロダクトライン 一連のソフトウェア製品群を体系的に構築する手法。コードの再利用を発展させ、ソフトウェア開発工程を工業化しようとする試み。
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