セパレートフレーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/28 08:44 UTC 版)
「フレーム形式 (自動車)」の記事における「セパレートフレーム」の解説
ボディー・オン・フレーム (Body-on-frame) とも呼ばれ、単にフレーム型、フレーム構造ともいわれる。堅牢なフレームをつくり、そこに別に製作したボディーを乗せる構造のこと。フレームはエンジン、トランスミッション、車軸、サスペンション、車輪など駆動列(ドライブトレーン)を支える役割があり、多くの場合これのみでの走行も可能である。これは自動車の始まりから現在まで続く基本的構造である。 最初のフレーム材料は木製で、一般にはトネリコが使われた。これは1900年頃より一般に鉄製(スチール製)に置き換わった。その先駆は1900年のメルセデス・シンプレックス(英語版)である。ごく一部の小型軽量車両ではその後も1930年代まで軽量化を主目的に木製フレームが使われていた。モーガンでは今もトネリコを使い続けている。 米国では自動車のデザインを頻繁に変更する販売様式(計画的陳腐化)をとっており、ボディー設計自由度の高いはしご型フレーム(ラダーフレーム)を使用する時代が長く続いた。これにより消費者に一番訴求力のあるボディー様式と内装が、車の基本性能に影響を与えることなく頻繁に変更できるため、設計・開発期間の短縮によるモデルチェンジの経費と、新型車の販売価格を低減できた。またこのことは、同じシャーシから乗用車とトラック・バンなど、異なる車種を容易に製作できることになり、モデルの多様化にも貢献した。特に自動車開発がコンピューター化されていない時代にはこの点が大きな優位性をもっていた。 第二次世界大戦後、航空技術者の自動車産業界への進出により、小型車の多くは1960年代よりモノコック構造に移行しており、トラック、一部のバス、大型乗用車のみが従来型のフレーム構造を踏襲していた。移行には数十年を要したが、今日ではSUVと呼ばれる区分に属する車両でもモノコックが採用される場合が増えている。 しかしながら、重量物を積載するトラックなど過酷な使用に耐える車両では、いまだセパレートフレーム構造が主流となっている。 フォード社のリンカーン・タウンカーは高級車最後のセパレートフレーム構造であり、リムジン車両製作では、車体架装の容易さから多くの需要がある。
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