はしご型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 01:43 UTC 版)
「フレーム形式 (自動車)」の記事における「はしご型」の解説
ラダーフレーム、またはH形フレームともいわれ、その名の通りはしご状のフレーム。製作と強度確保が容易で、歴史も長く現在でも採用例が多いなど、セパレートフレームの代表とも言える。 前後に通る2本のメインフレーム(サイドメンバー)の構成には、求められる仕様によって、「コ」の字形の開断面と「ロ」の字形の閉断面、それを組み合わせた部分開(閉)断面とがある。このほかに、板厚や断面積の変化、左右をつなぐクロスメンバー(はしごの段にあたる)、接合部を補強するリインフォースメントで強度や剛性の調節をする。 強度に優れ車体架装が容易なことから、トラックのほとんどが採用しており、トラックベースの一部のバスやSUVにも用いられている。 歴史的に見ると、その初期には前身となる木製フレームの構造を受け継ぎ、一直線状のチャンネル型鋼が使われていた。ストレートなチャンネルフレームは、強度確保や加工は容易ながら、上下に動く車軸と干渉しないようにすると床が高くなる欠点があるが、トラックでは実用上の問題とならないため、現在でも広く用いられている。 バスや乗用車、一部の小型トラックでは、ストレートフレームが主流の時代には後車軸をフレーム下ではなく、上方に取り付ける「アンダースラング構造」で低床化を図った事例もあるが、1930年代以降は、後輪周囲のみを一段持ち上げてフレーム下配置の後車軸サスペンションストロークを確保した「キックアップ構造」が主流となった。 それでもメインフレームやサイドメンバーが床下にあるため、乗用車での床高は完全な解消が難しく、またゴムブッシュを介した車体締結は低級振動が発生しやすいため、乗り心地の点でモノコックボディーに対して不利となる。 日本のレントゲン車では、大型検査機器の重量に対応するため、はしご型フレームのトラックにスケルトンフレームを追加して製作されている。
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