シロギスとは? わかりやすく解説

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白鱚

読み方:シロギス(shirogisu), シラギス(shiragisu)

キス科海水魚


シロギス

学名Sillago japonica 英名:Japanese whiting
地方名キツゴシラギス 
脊椎動物門硬骨魚綱スズキ目キス科
色 形 長崎・日本・世界 住みか 3D 料理

※出典:長崎県水産部ホームページ

特徴
腹びれと尻びれが黄色でないことで、アオギス区別できる。ほとんどが沿岸砂底生息するが、岩場変化に富む地形でも見られる外洋に出ることはまずない。ゴカイ類甲殻類食べる。音に敏感で危険を感じたら砂の中に潜り込む1年で10cm、2年17cm、3年20cm成長する中国四国九州市場では30cmもある大型のものが出回る2年成熟する産卵期は夏でやや深いところに行き直径0,7mmほどの浮遊卵を産む砂底海岸では岸付近まで生息することから釣りの好対象であるが、資源維持のために産卵期自粛しようとする動き高まっている。

分布:北海道北部沖縄を除く日本各地東シナ海台湾 大きさ:30cm
漁法:底引き網 食べ方:刺身塩焼き天ぷら酢の物

白鱚

読み方:シロギス(shirogisu), シラギス(shiragisu)

キス科海水魚

学名 Sillago japonica


白鱚

読み方:シロギス(shirogisu)

一種

季節

分類 動物


シロギス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/22 14:24 UTC 版)

シロギス
シロギス
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
: キス科 Sillaginidae
: キス属 Sillago
: シロギス S. japonica
学名
Sillago japonica
Temminck and Schlegel1843
和名
シロギス(白鱚)
キス(鱚)
英名
Japanese whiting
Japanese shillago[2]
分布

シロギス(白鱚、Sillago japonica)は、キス科に属する海水魚の一種。東アジアの沿岸域に広く分布する。別名のキス(鱚)[3][4]で夏の季語[5]。ただし、キスはキス科の総称としても使われる[6]。体色は、背側が淡黄褐色で、腹側が白い。そのため、青から緑がかったアオギスに対し、シロギスと呼ばれる。別名は、アカ・アカギス・カハキ・シラギス・マギス・ナタギス・キツゴ・きすごなど[7]

水深20メートルまでのきれいな砂底付近にすむ浅海性で、多毛類甲殻類を食べる。繁殖期は6-10月。釣りの対象として人気が高い。

分類

1843年、コンラート・ヤコブ・テミンクヘルマン・シュレーゲルにより、日本沿岸で採集されたホロタイプを基に記載された。モトギスと間違えられることがよくあり、1885年のフランツ・シュタインダハナー英語版ルートヴィヒ・デーデルラインをはじめとした多くの著者によって誤った名前が用いられた[2]

学名 Sillago japonica英名 Japanese whiting ともに日本産であることから名付けられたが、実際の分布域は東アジア全域におよび、台湾ではChin-Sa-Suoと呼ばれる[8]

形態

イラスト

他のキス類と同様、わずかに側扁した細長い体と、先細りになった口を持つ[2]。体は小さな櫛鱗に覆われ、頬鱗は2列。第一背鰭は11棘条、第二背鰭は1棘21-23軟条。臀鰭は第二背鰭に似るが、2棘22-24軟条。側線鱗数70-73で脊椎骨数35。最大で30センチメートルになる[9]

はキス類を同定する上で最も重要な形質である。本種の鰾は、後方は滑らかに細く伸びて終端する。前方からは3本の突起が伸び、真ん中の突起が最も長い[8]

背面は緑灰色で頭部は暗い色をしている。腹面は白い。背鰭は半透明で、棘条の間には細かい褐色の斑点がある。臀鰭・腹鰭・胸鰭は半透明だが、胸鰭の上縁と基部は緑がかる。尾鰭は白く、縁が黒い[8]

分布

日本本州四国九州沖縄[2][10]から朝鮮半島[11]中国台湾、おそらくフィリピンにも分布する[9]。日本の海域で最も一般的なキス類ではないかもしれないが、沿岸域において最も豊富な種の一つであることは確実であり、浅海域から得られるサンプルのかなりの割合を占めることがある[12]

湾内の浅い砂地・砂浜の波打ち際・アマモ場・河口など様々な環境で見られる。浅海性で、生息深度は0-30メートル。稚魚は餌と外敵からの保護が得られるアマモ場にとどまることが多いが、成魚は開放的な環境に移動する[13]

生態

他のキス類のように底生魚である[14]。他のキス類のように群れを作り、外敵から逃れる、または摂餌のために砂に潜る[9]

食性

波打ち際に生息する個体の研究からは、全長20ミリメートルを境に食性が大きく変化することが示された。若魚は主にカイアシ類を食べ、アミ類も多少食べる[15]。成魚は主にアミ類を食べるようになり、多少の多毛類・カイアシ類を食べる。他の研究では、生息場所によって端脚類二枚貝エビカニ・小魚などを食べることも確認された。これは種間競争を減らすためだと考えられる[16]。多くの研究において、成長とともに餌の種類が変化していくことが観察されているが、これはおそらく種内競争を防ぐためである。季節による餌の種類の変化も観察されている[13]

繁殖

6-10月に繁殖し、産卵数は13,600-68,900[17]。発生過程はOozeki et al.によって記録されており、形態学・組織学的に10の発生ステージを区別している[18]。稚魚は浅い湾やアマモ場に留まる。雌雄ともに2年で性成熟し、寿命は最低でも4年、30センチメートルに達する[19]

利用

東京湾で漁獲されたシロギス

日本では一般的な沿岸性魚種であり、その繊細な風味のために人気がある[9]。昔から投げ釣りの対象魚として有名。旬は春から夏で、産卵を控えた5月ごろが最も美味しいとされる[7]。船・ボートから釣る場合は周年できるが、陸からの釣りで容易に釣れることから、特に夏には本種を狙った釣りが盛んである[20]。砂地の海底付近を回遊しているので岩礁などに針やオモリが引っかかるようなことが無いため、釣り入門者に最適な対象魚である。また、群れを作っての移動速度がサバやイワシなどよりも遅いため、群れに当たると数多く釣ることができる。餌にはアオイソメのほか、ジャリメの多毛類が有効という。

日本以外では他のキス類が主に利用されており、本種は小規模の沿岸漁業で、他種とともに捕獲される程度である。

脚注

  1. ^ Motomura, H. (2010). "Sillago japonica". IUCN Red List of Threatened Species. Version 2013.1. International Union for Conservation of Nature.
  2. ^ a b c d Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2007). "Sillago japonica" in FishBase. Aug 2007 version.
  3. ^ キス(鱚)」『日本大百科全書』https://kotobank.jp/word/%E3%82%AD%E3%82%B9%EF%BC%88%E9%B1%9A%EF%BC%89コトバンクより2024年5月1日閲覧 
  4. ^ 羽生功 (1974), “キス”, 万有百科大事典 動物, 小学館 [要ページ番号]
  5. ^ 『俳句歳時記 第4版』角川学芸出版、2008年、ISBN 978-4-04-621167-5[要ページ番号]
  6. ^ “キス【鱚】”, 広辞苑, 第4版, 岩波書店, (1998) [要ページ番号]
  7. ^ a b シロギスはどんな魚?食や釣りで人気のキスに詳しくなろう!”. TSURI HACK. Spacekey (2022年10月20日). 2024年5月5日閲覧。
  8. ^ a b c McKay, R.J. (1985). “A Revision of the Fishes of the Family Silaginidae”. Memoirs of the Queensland Museum 22 (1): 1–73. 
  9. ^ a b c d McKay, R.J. (1992). FAO Species Catalogue: Vol. 14. Sillaginid Fishes Of The World. Rome: Food and Agricultural Organisation. pp. 19–20. ISBN 92-5-103123-1. ftp://ftp.fao.org/docrep/fao/009/t0538e/t0538e06.pdf 
  10. ^ Yukinori, Nakane; Suda Yusuke, Otomi Jun, Hayakawa Yasuhiro & Murai Takeshi (2005). “Nearshore ichthyofauna in the intermediate sandy beach, Fukiagehama Beach, Kagoshima Prefecture, Japan”. Journal of National Fisheries University 53 (2): 57–70. ISSN 0370-9361. 
  11. ^ Huh, Sung-Hoi; Yong-Rock An (2000). “Species composition and seasonal variation of fish assemblage in the coastal water off Gadeok-do, Korea. 1. Fishes collected by a small otter trawl”. Journal of the Korean Fisheries Society 33 (4): 288–301. ISSN 0374-8111. 
  12. ^ Suda, Y.; T. Inoueb and H. Uchidac (2002). “Fish Communities in the Surf Zone of a Protected Sandy Beach at Doigahama, Yamaguchi Prefecture, Japan”. Estuarine, Coastal and Shelf Science 55 (1): 81–96. doi:10.1006/ecss.2001.0888. 
  13. ^ a b Kwak, Seok Nam; Gun Wook Baeck and Sung-Hoi Huh (2004). “Feeding ecology of Sillago japonica in an Eelgrass (Zostera marina) bed”. Journal of Fisheries Science and Technology 72 (2): 84–89. 
  14. ^ Kazunori, Arayama; Kono Hiroshi (2004). “Vertical Distributions of the Japanese Whiting, Sillago japonica, Larvae and Juveniles and their Food Organisms at a Sandy Beach in Tateyama Bay, Central Japan”. Suisan Zoshoku 52 (2): 167–170. ISSN 0371-4217. 
  15. ^ Inoue, Takashi; Yusuke Suda and Mitsuhiko Sano (2005). “Food habits of fishes in the surf zone of a sandy beach at Sanrimatsubara, Fukuoka Prefecture, Japan”. Ichthyological Research 52 (1): 9–14. doi:10.1007/s10228-004-0246-2. ISSN 1341-8998. 
  16. ^ Kwak, Seok Nam; Sung-Hoi Huhb & David W. Klumpp (2004). “Partitioning of food resources among Sillago japonica, Ditremma temmincki, Tridentiger trigonocephalus, Hippocampus japonicus and Petroscirtes breviceps in an eelgrass, Zostera marina, bed”. Environmental Biology of Fishes 71 (4): 353–364. doi:10.1007/s10641-004-1259-4. ISSN 0378-1909. 
  17. ^ Sulition, O.; S. Watanabe and M. Yokota (1999). “Reproduction of the Japanese Whiting, Sillago japonica, in Tateyama Bay”. Suisan Zoshoku 47 (2): 209–214. ISSN 0371-4217. 
  18. ^ Oozeki, Y.; P-P Hwang & R. Hirano (1992). “Larval development of the Japanese whiting Sillago japonica”. Japanese Journal of Ichthyology 39 (1): 59–66. ISSN 0021-5090. 
  19. ^ Sulistion, O.; S. Watanabe, M. Yokota and S. Kitada (1999). “Age and Growth of Japanese Whiting Sillago japonica in Tateyama Bay”. Fisheries Science 65 (1): 117–122. ISSN 0919-9268. 
  20. ^ Kanoyama Japanese Restaurant. “Fish Facts”. 2007年9月7日閲覧。

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