シャクシャイン像
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 17:21 UTC 版)
初代 1970年9月15日、シャクシャインのチャシが遺跡として残る新ひだか町・真歌公園に、任意団体「シャクシャイン顕彰会」によって強化プラスチック製の立像が有志の寄付により建立され、1976年に静内町に寄贈された。このシャクシャイン像は彫刻家竹中敏洋がデザインしたもので、像は高さ3.5m、杖の先までの長さは4.2m。「風をはらんだカッコロ(マント)を背に、エキㇺネクワ(山杖)を右手にかざし、神の祈りを聞くシャクシャインの姿」を表現したもので、一部に言われている松前藩の方向へ怒りを表した姿ではないことが、1972年9月30日に発行された児童書「明日に向かって アイヌの人びとは訴える」によって記されている。毎年9月には、新ひだかアイヌ協会が像の前で全道からアイヌを集めた法要祭を行っている。 1972年9月20日、結城庄司ら5人がシャクシャイン像の台座に刻まれていた町村金五知事(当時)の名を削り取る事件があった。犯行に新左翼の太田竜が加わっていたことから、警察は札幌オリンピックを控えた時期を狙った過激派による事件とし、全国指名手配の末1974年に結城らを逮捕した。しかしこの事件で有罪となったのは太田のみで、結城や足立正生・新谷行など他の4人は起訴猶予処分となった。 その後老朽化により2代目(後述)の建造計画が発表されるとシャクシャイン顕彰会が解体に反発し、新ひだか町は新像完成後に旧像撤去を行う方針だったものの顕彰会の申し出を受けて保留し、町・アイヌ協会・顕彰会による3者会談を行ったが、協議は平行線をたどり一旦旧像を残したまま新像も立てる方針とするも、結局9月20日に新ひだか町は「老朽化が進み、倒壊の恐れがあり危険」として旧像を撤去した。 2018年10月にはシャクシャイン顕彰会が町による旧像の撤去を「対応が乱暴で納得いかない」として、旧像の型枠を用いた独自の再建計画を検討し、約1700万円の寄付を集めた上でブロンズを用い旧像を再建し2020年10月にお披露目され新ひだか町内の倉庫で保管されている。 2代 2015年、新ひだかアイヌ協会が老朽化を理由に協会をNPO法人化し寄付を募る形で像の建て替えを決定した。政府のアイヌ新法検討を踏まえ穏やかな表情のデザインによる新像の発注を行い、手のひらを上にしてオンカミ(拝礼)をする姿をかたどった高さ約4mのブロンズ製で、2018年9月23日の法要祭で披露された。
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