サーキットデザインの特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/01/03 15:27 UTC 版)
「ヘルマン・ティルケ」の記事における「サーキットデザインの特徴」の解説
エンターテインメント的要素 ティルケが設計したサーキットには「ストレートへの加速に影響するトリッキーなコーナー」「幅員の広いロングストレート」「ストレートエンドの低速コーナー(シケインやヘアピン)」といった配置が見られる。現代のレーシングカー(とりわけF1マシン)は空力などの影響によりコース上でのオーバーテイクが困難になっているが、これらの区間ではスリップストリームを利用し、コース幅を利用して前走車に並びかけ、ブレーキングでオーバーテイクを仕掛けるような機会が生まれるよう意図されている。 また、地形のアップダウンや路面のカント(傾斜)の変化、コーナーが連続するテクニカルセクションといった、ドライバーのミスを誘う要素も加えようとしている。 安全性 レーシングカーの高速化に対応して、競技者と観客保護のために高度な安全対策を重視した設計が多い。コースサイドのランオフエリアが非常に広く、マシンを制動できるよう、グラベル(砂)ではなくターマック(舗装)を採用している。また、タイヤバリアに代わり、"SAFER"と呼ばれる衝撃吸収性能の高い素材も導入している。 現代的な施設 レーシングチームの規模拡大・取材メディアの増加などに対し、古典的なサーキットではピットやパドックの旧式化、スペースの狭さなどが問題となる。ティルケが手掛けたサーキットは関係者用施設が充実しており、ゲスト用の豪華なホスピタリティ設備も備えている。 各国の意匠 それぞれのサーキットに於いて、その国柄などを反映したデザインを盛り込むというコンセプトを多用する。機能的ながら印象に残るユニークさもティルケの持ち味である。上海では、コースレイアウト自体が漢字の「上」を象っている他、ホームストレートを跨ぐホスピタリティ施設の断面にユリの葉の形を盛り込んでいる。 セパンでは、グランドスタンドの屋根が「バナナの葉」を模した物になっており、更にスタンドの一角には「ハイビスカスの花」を模した屋根を採用している。さらにユニークな事は、このスタンドがティルケいわく「パックマン」のようにコースの内部に飲み込まれたような形態になっている。 富士では和風のデザインとして、折鶴や神社仏閣の屋根などのモチーフを随所に盛り込んでいる。
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