コンクリート工事
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 15:20 UTC 版)
「福島第一原子力発電所1号機の建設」の記事における「コンクリート工事」の解説
平田秀雄によればGEはコンクリートの基礎工事で「強度が足りない」と」指摘し、何度もやり直しすることになったが、コンクリート中の水分が適量か、GEの技術者が手で握って確かめているを見て「陶器職人」のようなプロ意識も感じた旨を回顧している。『鹿島建設月報』で建設工事を紹介した記事では「機器メーカーとのコオーディネーションの優劣が工事の進捗と品質を左右する」と述べ、特質の一つに「一般建物より複雑で精度を要求されるものを、土木工事的規模で施工する」点があげられ、その代表的な例が次に述べる格納容器周囲の遮蔽コンクリートの施工であった。 MARKI格納容器はフラスコ型のドライウェルとその下部に配されたドーナツ型のサブレッション・チャンバ(圧力抑制室)が外観上の特徴であるが、この内ドライウェルはその下部で円筒のスカートに支えられており、更にドライウェルとスカートに囲まれた空間にはコンクリート、モルタルで完全に充填され、ドライウェルを支えることになる。鹿島建設は工事着手に当たって、同社福島原子力出張所と技術研究所が共同して、予めこのような工事の基礎実験も実施していた。 鹿島建設福島原子力建設所長を勤めた中津留暎は竣工時に「建築と言う面からみますと、原子力発電所という建物の形が、むしろ物理屋さんが考えた、一番解析しやすい状態のままで、むしろ建築的に十分に検討されないままで建物をそれに合わせてつくっていかなければならないというようなところがある」と述べている。 また、当時東京電力の建設所では建築は設計班と工事班に分かれており設計でGEレターを解釈し、工事で作業実施を担当していた。構造検査の確認も数多く、当時新入社員で技術職だったある東京電力社員は「建物を造るのに、何故そんなに検査を一生懸命やるのかな」と原子力部門の技術的な文化に対して素朴な疑問をもっていたという。 また中津留暎は『電気情報』1971年6月号の座談会にて、日立でグラインダー工を地元募集した時と同様の課題に直面した旨を語っている。従って「普通ですと、経験のある業者がいる訳ですが、地元の素人の労務者を採用したために、社員が陣頭指揮に立たざるを得なかった」という。 建屋内の天井、鉄柱は錆が浮いて冷却水に交じるなどして放射化することを防ぐため、錆止めの塗料が使用されている。
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