コロナ加熱問題とは? わかりやすく解説

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コロナ加熱問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 03:01 UTC 版)

太陽」の記事における「コロナ加熱問題」の解説

太陽表面温度は約6000 °Cであるのに対し太陽取り囲むコロナは約200 °Cという超高温であることが分かっているが、それをもたらす要因太陽最大の謎とされた。1960年代まで太陽対流運動生じた音波衝撃波成長し、これが熱エネルギー変換されコロナ加熱するという「音波加熱説」が主流考えだった。 1970年代からスカイラブ計画通じてコロナX線観測が行われたところ、コロナ形状太陽磁場がつくるループ影響受けていることが判明しここから太陽磁場影響による加熱提唱された。しかし他にも磁場に伴うアルベーン波説や、フレアによる加熱説などもあり、結論には至っていない。

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コロナ加熱問題

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 05:34 UTC 版)

コロナ」の記事における「コロナ加熱問題」の解説

物理学の未解決問題なぜ、太陽コロナ太陽表面よりも遥かに熱いのか? 太陽物理学におけるコロナ加熱問題は、なぜ太陽コロナ温度太陽表面温度よりも数百 Kも高いのかという問題である。この現象説明するためいくつかの理論提案されているが、これらの候補の中のいずれが正しいのかの結論を出すのはまだ困難である。この問題は、ベングト・エドレンとヴァルター・グロトリアンが太陽スペクトル中でFe IXCa XIVの線を同定したときに初め浮上した。この同定により、日食の際にコロナ中に見られる輝線が、未知元素「コロニウム」ではなく高温下でのみ高階電離されるこれらの既知元素よるものであると判明したが、光球の6,000 Kと比べてコロナ温度圧倒的に高く、この高温どのように維持されているのかという新たな疑問説明する理論が必要とされることとなった。この問題は主に、コロナエネルギーどのような形で運ばれその後、数太陽半径範囲内どのように熱に変換されるか、という点に集約される。 光球コロナの間にある、温度上昇する薄い領域遷移層遷移領域)と呼ぶ。この領域厚さ数十 kmから数百 kmに過ぎない太陽コロナ加熱するのに必要なエネルギーの量は、コロナ放射損失と、遷移層通って彩層に向かう熱伝導による加熱の差として容易に計算できる。これは、太陽彩層表面積1平方メートル当たり約1 キロワット、つまり、太陽から逃げ光エネルギー40000分の1の量である。 通常の熱伝導では、冷たい光球から熱いコロナエネルギー移動させることはできない。これは熱力学の第二法則反するからである。これは、電球周囲空気温度電球ガラス面よりも高い温度まで上昇させることに喩えられる。したがってコロナ加熱には、熱伝導以外の非熱的な過程エネルギー移動させる必要があるこれまで多くコロナ加熱説が提唱されてきたが、いずれの理論極端なコロナ温度説明できていない2020年現在最も有力な候補として残っているのは、波動加熱説とナノフレア加熱説2つである。2006年に「ひので」が打ち上げられる前は、先行宇宙機ようこう」などでフレア、マイクロフレアが観測されていたことからナノフレア説が有力視されていたが、「ひので」がコロナ内を伝播する波動空間分解して捉えたことから、一時期下火となっていた波動説改め見直されることとなった2012年観測ロケット搭載された高分解能コロナイメージャーによる軟X線波長での高解像度撮影0.2秒角未満)により、コロナ内の強固にまかれた磁場ブレードbraid, 編組)が発見された。このブレード再結合分離が、活動領域コロナ400 Kまで加熱する主要な熱源として作用するではないか考えられている。静穏コロナ(約150 K)の主な熱源は、電磁流体波由来する想定されている。

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