クジラ・イルカ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/16 07:34 UTC 版)
「鯨肉」も参照 クジラやイルカは鱗がない水棲動物で、ユダヤ教では『レビ記』第11章の条件にあてはまらないため、カシュルートにより食用禁止となる。 イスラム教の『ハディース』には、浜辺に打ち上げられたクジラの死骸から食料を作っている場面が描かれ、それを食べてもよいかと教友が預言者ムハンマドに尋ねたところ、「海から来たものなら死んでいるものでも食べてもよい」と答え、預言者ムハンマド自身、鯨肉を食べたと言われている。 キリスト教の大多数の宗派も同様である。イギリスの王ヘンリー6世はイルカ料理を好み、またイギリスの宮廷では、17世紀の終わりごろまでイルカの肉を食べる習慣があった。フランスのパリでは16世紀、レストランの「トゥール・ダルジャン」が開店した際のメニューにイルカのパイ(Porpoise pie)が載っている。 欧米諸国では、20世紀初めまで鯨油を採取するため捕鯨がさかんに行われ、鯨肉を食べることもあった。日本、ノルウェー、アイスランドやフェロー諸島、大韓民国、インドネシアなどでは、伝統的にクジラが食肉として食べられている。 日本でも、古くから西日本を中心とした捕鯨を基幹産業とする地域において食用になっており、現代でも文化を引き継ぐ千葉県、神奈川県、山梨県、静岡県、和歌山県、沖縄県などの地域では、スーパーマーケットでイルカ肉が売られている。戦後の食糧政策で鯨肉は日本中で一般的に食するようになり、最盛期には学校給食に安く卸されていたり、大和煮の缶詰として安く市販されたりしていた。 また、捕鯨を禁止している国でも、アメリカ合衆国アラスカ州など、先住民によって捕鯨が行われ、脂身をも食す地域がある。北海道などに居住するアイヌでは干し肉も食した。
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