キトサンとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 固有名詞の種類 > 自然 > 物質 > 化合物 > 多糖類 > キトサンの意味・解説 

キトサン【chitosan】

読み方:きとさん

カニ・エビ・昆虫などの外骨格や、微生物キノコ細胞壁構成するキチン分解産物肥料化粧品添加剤として用いられるほか、生体内分解吸収される点を利用して手術用の糸などに用いられる


キトサン

キチンからアセチル基外して抽出精製したものがキトサンです。

キチン・キトサン

キチンはN-アセチル-D-グルコサミンがβ(1-4)結合した直鎖型の多糖類です。さらにキチンからアセチル基外して抽出精製したものがキトサンです。化学処理でキチンを取り出しキトサン化するのですが、その際どうしてもキチンが残りキチンとキトサンが混じった状態になります。そのためキチン・キトサンとふたつの物質名重ねて呼んでます。

キトサン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/08 14:23 UTC 版)

キトサン
識別情報
CAS登録番号 9012-76-4 
ChemSpider 64870 
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

キトサン (chitosan) とは、多糖類の一種で、ポリ-β1→4-グルコサミンのこと。直鎖型の多糖類でグルコサミンの 1,4-重合物で、分子量は数千から数十万に及ぶ高分子である。分子式は(C6H11NO4)nCAS登録番号は[9012-76-4]。

製造法

工業的には主として、カニエビなどの甲殻類の外骨格から得られるキチン(ポリ-β1→4-N-アセチルグルコサミンからなる)を、濃アルカリ中での煮沸処理等により脱アセチル化して得る。

キチン骨格中の2位の炭素上のアセトアミド基を脱アセチル化し、遊離の第一級アミノ基に変換するが、濃アルカリ煮沸などの過酷な条件での処理をすることから、ポリ-β1→4-グルコサミン構造も鎖が切断されたり、一部変化する。

また、キチンのキトサンへの変換(脱アセチル反応)は完全には進まず、糖鎖上に一部 N-アセチルグルコサミンを含むことが多い。キトサンの品質は、脱アセチル化の割合 (%DA) で示される。これは NMR分光法、赤外線吸収スペクトル法 (IR)、および、コロイド滴定法などで測定することができるが、市販のキトサンの %DA は通常 60-100% の範囲にあり、70%程度(キチンがキトサン鎖中に3割残っていると言う意味)の商品が多い。

特徴

  • 加工が容易で、繊維フィルム、粒状あるいは発泡素材として利用可能。
  • 生物資源由来の原料より生産されるため、資源枯渇の可能性が低い。
  • 生物分解性。
  • 化学処理により様々な機能を付与することができる。
  • 低毒性とされる。マウスの半数致死量(LD50、経口)は 16g/kg と報告されている。
  • 抗てんかん薬として使用されるバルプロ酸ナトリウムとの併用で薬物相互作用を生じ、バルプロ酸ナトリウムの作用を減弱させる[1][2]

物性

アミノ基の存在により高分子電解質としての性質を示し、薄い無機酸有機酸水溶液を含む)等に、キトサン塩となって溶解する。重金属Mn)や各種酸性物質(核酸など)の吸着能を持つ。

  • キトサンそのものは水に不溶、希酸に可溶。
    • ただし、キトサン類(例えばキトサン塩酸塩など)は、水に可溶なものが多い。pH や %DA により異なる
  • ヨウ素と反応し、赤褐色を呈する。(硫酸酸性下では紫)
  • 酸解離定数 pKa < 6.5

利用法

神経再生や皮膚再生など再生医療素材としての応用が進んでいるが、そのほかにも、ポリマーブレンドやハイブリッド材料などへの応用例も多数見受けられる。また、アミノ基の反応活性を生かした誘導体化等によるさらなる高機能化へのアプローチも盛んに行われている。精製された高品質なキトサンを膜や繊維、スポンジにして、医療分野での用途にも利用可能である。

主な応用例として、

  • 化粧品
  • 繊維中への練り込み(抗菌性を利用)
  • 火傷治癒用の創傷保護材、人工皮膚
  • クロマト分離剤
  • イオン交換体
  • 微生物や酵素の固定化担体
  • 重金属含有担体
  • 放射性物質を含む重金属吸着剤
  • 健康食品:「コレステロールが高めの方に適した食品」として特定保健用食品(トクホ)で認められたものがある。「ダイエット」効果を目的とした健康食品に配合されることがある。
  • 食品添加物:増粘効果を出すため
  • カチオン系活性汚泥凝集剤

等がある。

脚注

関連項目

外部リンク


キトサン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/04/06 13:36 UTC 版)

ポケットモンスターのアイテム一覧」の記事における「キトサン」の解説

ポケモンとくぼう基礎ポイント上げる。第1世代ではとくこうと統一したとくしゅであることと、第2世代よりとくぼう追加されたが第1世代のとくしゅとの互換性のためこのアイテムがないので、第3世代より登場

※この「キトサン」の解説は、「ポケットモンスターのアイテム一覧」の解説の一部です。
「キトサン」を含む「ポケットモンスターのアイテム一覧」の記事については、「ポケットモンスターのアイテム一覧」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「キトサン」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「キトサン」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



キトサンと同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「キトサン」の関連用語

キトサンのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



キトサンのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
Supplement Kuchikomi RankingSupplement Kuchikomi Ranking
(C)2025 All Rights Reserved. 健康食品のあり方を考える日本サプリメント評議会の運営です。
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのキトサン (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのポケットモンスターのアイテム一覧 (改訂履歴)、カプセル化細胞 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS