ガーバーフォーマットの使用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/07 23:18 UTC 版)
「ガーバーフォーマット」の記事における「ガーバーフォーマットの使用」の解説
ガーバーファイルは、プリント基板設計用EDAやCADソフトウェアを用いて作成する。作成されたファイルは、基板製造のCAM システムに読み込まれ、基板製造プロセスの各ステップで使用するデータに編集される。また、基板の加工以外にも、基板の仕上がりを検査する自動外観検査機にも使用される。ドリル情報(フラッシュアパーチャなど)に使うことも考えられるが、通常、ドリル情報はExcellonフォーマット(英語版)が使用される。 RS-274Xはファイル形式として完成度が高く、互換性に優れる。ただし、CADの一部には、RS-274Xの出力機能が不十分なものもみられ、出力されたファイルに文法的なエラーが見つかることがある。また、PCBの要求する仕様に対して数値精度が低すぎることで、丸め誤差のエラーが発生することがある。これについては、ガーバーの出力解像度は、CADの解像度より、少なくとも10倍は高くする必要がある。他に、一部のCADでは、エリアを埋める際にRS-274-Dの様に塗り(painting)で行ったり、パッドをアパーチャ定義ではなく塗りで作成するものがある。塗りであってもファイルとしては問題がないが、製造側で処理する際に煩雑で時間がかかってしまうため、塗りは使わないほうが良いとされる。これらの問題は、RS-274X形式の問題では、CADに起因する問題である。 RS-274Xでは、ファイルが基板のどの層を表すかという規格を設けていない。これは欠点ではなく、ファイル名で層を、ファイル拡張子でフォーマット種類(例:「.GER」=ガーバーデータ)を明確に出来るため、それで十分だと考えられている。しかし、一部の設計者やCADでは、データセットに暗号化したファイル名を用い、別のテキストファイルに層や種類を記録することがある。製造サイドではデータセット内の全てのファイルを閲覧し、製造に必要な情報を探すという作業が伴う。また、拡張子で、層や種類(ガーバーかドリル)を示すケースも見受けられる(例:ボトムレイヤファイルの拡張子を「.BOT」とする)。この場合、製造者はファイルを開き、正しいフォーマット形式を確認する必要がある。PDFという拡張子がポータブル・ドキュメント・フォーマットを示すように、一般的に拡張子がファイル種類を示すことから、拡張子によって層や種類を示すのは好ましくないとされる。 初期版であったRS-274-DフォーマットはRS-274X登場以降、使用される機会は減少したが過去の設計データなどで使用されることがある。RS-274-Dは、テクノロジーの変遷を見据えて設計されたものではなく、さまざまな限界があり、製造者だけでなく設計側にも厄介な構築作業が生じる。それらを補うには手作業が必要となり、よりエラーがおきやすい。 2014年2月にUcamcoは属性を持つガーバーフォーマット(ガーバーバージョン2)を拡張した。属性はガーバーファイルにメタ情報を追加したものである。これらは画像ファイルと関連した情報、またはこれらの特徴を提供するラベルに類似している。 属性によって伝えられるメタ情報の例: おもて面ソルダーマスク、うら面パターン層、など。 単一のPCB、配列、テストクーポン、など。 パッドの機能、定義; SMDパッド、ビアパッド、その基準点、など。
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