イタリア叙事詩
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「ローラン (シャルルマーニュ伝説)」の記事における「イタリア叙事詩」の解説
後世になり、イタリアなどでは『ローランの歌』の前日談が追加された。なお、イタリアでは通常「ローラン」でなく「オルランド」とされる。有名なものとして、ルイジ・プルチの『モルガンテ』、ボイアルドの未完に終わった『恋するオルランド』などがある。その中でもっとも知られている作品はアリオストの『狂えるオルランド』である。 『狂えるオルランド』では、素手で人間を引き裂く怪力に、全身が金剛石と同程度の強度をもち、刃を受け付けない。唯一傷を負う可能性があるのは足の裏のみ(第11歌49節)という設定となっている。そのため、鎧を着ていたのはもっぱら飾りのため(第12歌49節)と説明され、第9歌では火縄銃を相手に、さらに第11歌ではルッジェーロがヒッポグリフと「魔法の盾」を使っても殺せなかった海魔・オルクを純粋な力技でねじ伏せて退治する、など常軌を逸するほどの戦闘能力を発揮している。 そのため基本的に、精神に作用する魔法でも使わない限り負けることはない。もっとも、『恋するオルランド』では、魔女・ファタ・モルガナを屈服させるシーンも存在する。ただ、兜の上から頭を強打されて目がくらむシーンも存在し(第41歌96節)、完全無欠の超人というわけでもない。 東洋の美姫・アンジェリカに恋をすると、たびたびシャルルマーニュの帰還命令を無視して世界中を放浪しつつアンジェリカを求め続けた。しかし、その間平和だったわけでなく、シャルルマーニュはスペインやセリカンなどと戦争をしており、幾度かの危機もあった。さらに、アンジェリカを巡る三角関係の中で同じパラディンであるリナルドと剣を交えて戦ったりもしており、(イタリアの叙事詩などでは)あまり忠誠心が厚い人物には見えない印象を受ける。 アンジェリカへの思いが悲恋に終わると、ローランは発狂し、裸のまま放浪を始める。素手で熊などの猛獣を殺したりする超人的な強さを発揮しながら農民達から恐れられ、最終的には、アストルフォが月から持ち帰った理性を鼻から注入され正気に戻る。作中では、預言者の口を借りて神から与えられた力を異教徒との戦いに使わず、女性を追い掛け回していたのが神の怒りにふれたため、と説明されていた。 以後、ドゥリンダナを狙いやってきたセリカン(絹の国、古代中国をモデルとした架空の国)の国王グラダッソ、アフリカ王アグラマンテと3対3の変則的な試合で勝利するなど活躍した。
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イタリア叙事詩
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/20 17:57 UTC 版)
『モルガンテ』、『狂えるオルランド』を始めとする、シャルルマーニュのパラディンを題材にした物語に登場する。 『狂えるオルランド』では、セリカン(絹の国、古代中国をモデルとした架空の国)の王、グラダッソがリナルド(ルノーのイタリア語読み)の持つバヤールとオルランドの持つ名剣ドゥリンダルデを求め、はるばる海を越えてやってきている。また、バヤールは世界最高の名馬として扱われており、その他の人物も一時的にではあるがバヤールを手に入れてはいるが、最終的にはリナルドのもとに戻った。 特に、バヤールとドゥリンダルデの双方、つまり世界最高の剣と馬を入手したグラダッソはかなりの強敵で、オルランドは馬の性能に圧倒され、落馬させられるという苦戦を強いられた。ただ、最終的には地力の差によりオルランドはグラダッソに勝利している。
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