イギリスの精神保健
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 02:21 UTC 版)
「メンタルヘルス」の記事における「イギリスの精神保健」の解説
イングランドにおける人口有病率一般的な精神障害 16% うつ病エピソード 3% 恐怖症 2% 全般性不安障害 4% PTSD スクリーニング 3% ADHDスクリーニング 1% 精神病 1% 過去の自殺試行 1% 薬物依存 3% アルコール依存 6% アルコール問題 24% 精神障害すべて 23% イギリスの精神障害による経済的損失は700億ポンド(GDPの4.5%)と推定されており、主な離職原因でありESA受給者の40.9%を占めている。英国保健省の統計によれば、イングランドでは成人の6人に1人が人生のある時点で精神保健問題を経験し、また5-16歳の児童青年では10人に1人が精神障害を抱え、多くは罹患したまま成人となる。初回罹患は平均14歳で、4分の3は20歳中盤までに罹患し、100人に約1人は深刻な障害である。65歳以上人口では35%が罹患している。また成人の約半数は人生のある時点でうつ病を最低1回は経験する。 イギリスの Common mental health disorder 生涯経験率大うつ病性障害気分変調症全般性不安障害パニック障害特定の恐怖症社交不安障害強迫性障害PTSD4-10% 2.5-5% 5.7% 1.4% 12.5% 12% 1.6% 6.8% 医療制度の評価は高く、政策決定、公的機関、民間機関それぞれの意思決定において問題意識が共有され、精神障害へのスティグマ削減と施政向上に共に取り組んでおり、軽中程度の患者に対しては根拠に基づく心理療法が施され、OECDは他国が参考にすべき先進的な精神保健制度を持っていると評している。 イギリスは世界で最も「脱施設化」に取り組んでいる国の一つであり、人口10万あたりの病床数は54床で(2011年)これはOECD平均の68床よりも少ない。うつ病および恐怖症の90%はプライマリケアの場において診断・治療されている。診療報酬制度でもイギリスは先進的であると評され、精神医療には成果に基づく支払制度(ペイ・フォー・パフォーマンス)が導入され、これにより長期入院から通院型加療へのシフトに成功した。医療制度のアウトカム指標であるHealth of the Nation Outcome Scales(HoNOS)も評価が高く、豪州とニュージーランドにも導入された。
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