アオバアリガタハネカクシとは? わかりやすく解説

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あおば‐ありがたはねかくし〔あをば‐〕【青××蟻形隠虫】

読み方:あおばありがたはねかくし

ハネカクシ科甲虫体長7ミリくらい。アリ似た形で、前翅(まえばね)は青藍色。河原などにすむ。体液がつくと皮膚炎起こす火傷(やけど)。→ペデリン


青翅蟻形隠翅虫

読み方:アオバアリガタハネカクシ(aobaarigatahanekakushi)

ハネカクシ科昆虫


アオバアリガタハネカクシ

野外有毒な(1) アオバアリガタハネカクシとカミキリモドキ
この群のグループ
この群に属す害虫
特徴
 夜間、光に誘引されて家屋飛来する甲虫類中に体や分泌液触れると皮膚炎などの被害生じさせるものがあります。アオバアリガタハネカクシの仲間と、カミキリモドキ類です。これらのに対しては、素手で掴まえたり、あわてて潰したりしないよう、特に注意が必要です。
 アオバアリガタハネカクシは、体長約6mm、頭部アリ似て黒色で、胸部橙色鞘翅藍色腹部橙色末端部が黒色という特徴的な色彩をしています。林縁部や河原草地生息し地表落ち葉の下などで小さな昆虫捕食して生活していますが、夜になると光に誘引されて照明灯明る家屋飛来します。6~7月多く出現します。他のアリガタハネカクシ類も春~秋に活動します。
 潰した時だけでなく、触れただけでも皮膚体液付いて、すじ状の炎症生じさせます原因は虫体液含まれる有毒物質ペデリンによるものです。
 カミキリモドキ類はコウチュウ目カミキリモドキ科に属す昆虫総称で、日本には50種以上が分布してます。外観カミキリムシ似ていますが、他のコウチュウ目種類違って体が柔らかいという特徴ありますアオカミキリモドキハイイロカミキリモドキキクビカミキリモドキキイロカミキリモドキなどが主な種類で、主に5~7月頃に出現します。
 夜に成虫照明飛来し偶然にが人の体に止まった際に叩き潰したり、払いのけた際に体液皮膚に付くと、やけどのような水泡性皮膚炎になります原因は虫体液含まれる猛毒物質カンタリジンよるものです。
防除
 これらの有毒種類限定されますので、特徴をよく覚えておき、日頃から注意して接触避けることが大切です。野外見かけてもむやみに殺す必要はありません。
 しかし屋内侵入した場合には、直接素手触らないように注意して屋外摘み出すか、速やかに殺虫ます。死骸分泌物にも有毒成分含まれていますので、注意して処分します。
 春~夏にかけては、網戸サッシなどによって侵入防ぎます外壁窓ガラスには、防虫忌避効果のあるエアゾールまたはスプレー吹き付けておきます。光に誘引されるの原因となる照明を消すか、紫外線をあまり出さない照明、または黄色い光に変えます窓ガラスから出る光が原因となっている場合には、近紫外線遮断するフィルムガラス面に貼る飛来抑えることができますの数があまりにも多い場合には、ライト周辺外壁などにガ用エアゾールを吹き付けておきます。また外に光が漏れないような場所に、ライトトラップ設置し集まってきた捕殺ます。
 もし、体に触れたり体液皮膚付いた場合には、すぐにでよく洗浄します皮膚水ぶくれができてしまったら、やけどと同じ様な処置とります


青翅蟻形隠翅虫

読み方:アオバアリガタハネカクシ(aobaarigatahanekakushi)

ハネカクシ科昆虫

学名 Paederus fuscipes


アオバアリガタハネカクシ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/07 14:38 UTC 版)

アオバアリガタハネカクシ
アオバアリガタハネカクシ
分類
: 動物界 Animalia
: 節足動物門 Arthropoda
: 昆虫綱 Insecta
: コウチュウ目(鞘翅目) Copleoptera
亜目 : カブトムシ亜目 Polyphaga
下目 : ハネカクシ下目 Staphyliniformia
上科 : ハネカクシ上科 Staphylinoidea
: ハネカクシ科 Staphylinidae
亜科 : アリガタハネカクシ亜科 Paederinae
: Paederus
: アオバアリガタハネカクシPaederus fuscipes
学名
Paederus littoralis
Gravenhorst, 1802年1802
和名
アオバアリガタハネカクシ

アオバアリガタハネカクシ(青翅蟻形隠翅虫、Paederus fuscipes)とは、コウチュウ目ハネカクシ上科ハネカクシ科アリガタハネカクシ亜科に属する昆虫。名称の由来は上翅が青色であることからである[1][2]

特徴

体長約7mmほどで細長く、頭部と腹部末端が黒く、その他の体節は橙赤色で、アメリカ大陸以外の世界各地に分布しており、主に温暖な湿地に生息する[1][2]

日本ではほぼ全土に生息し、山里付近や、畑、水田などで見られる場合がある。灯火にも飛来するが、これが後述する本種による被害を起こす要因になっているといわれる。

毒性

体液中に毒性アミドペデリンを含み、払いのける際に体液が糸状に付着すると、火ぶくれのような膿疱を伴う線状皮膚炎(丘疹性皮膚炎、ミミズ腫れ)を引き起こすことから、ヤケドムシ[1][2][3]やけど虫[4][5]デンキムシとも呼ばれる。体液がついてから発症するまでに多少の時間がかかるため、患者はその原因が自分の肌から少し前に払い落とした小昆虫の体液にあることに気がつきにくく、突然生じるミミズ腫れに当惑することになる。そのため地方によっては家屋内を徘徊するヤモリの尿が付着したためとする俗信を生み、これを俗に「ヤモリのしょんべん」とも呼ぶ。

本種の学名「Paederus」は、触れると丘疹性皮膚炎(Paederus dermatitis)になることが由来となっており、原因となる毒も本種から初めて同定されたことで「ペデリン(pederin)」と命名された。

身体が小さい上にハネカクシの仲間だけによく飛翔し、灯火にも飛来して知らずに潰して被害に遭うケースになり、誤って目に入ってしまったのを潰すと、失明する恐れもある[4]

黒と橙赤が交互に並ぶ目立つ体色は毒を持つ警告色と考えられている。

生態

ほぼ一年通して発生するが、年3回ほどとされ、もっとも個体数が増えるのは7,8月とされる。オスは越冬せずに死ぬが、メスは越冬して翌年に産卵する。

産卵場所は土中で、約3〜19日で孵化し、幼虫は10〜50日で2齢を経て成熟し、 蛹室をつくって踊になり、3〜12日後に成虫が羽化する。 雑食性だが、ウンカヨコバイといった農業害虫を好んで捕食する為、農業では益虫とされる。

積極的に攻撃することはなく、潰さないように払いのけると体液が付着しない[5]

近縁種

本種とよく似た姿のハネカクシの種類は、次の二種となるが、同じようにペデリンを有している。

エゾアリガタハネカクシ Paederus parallelus
身体全体の姿及び、色合いもよく似た姿のハネカクシだが、体長は10mmほどとなり、こちらの方がやや大型となる。
同じく毒を体内に持っているが、後翅が退化して飛翔出来ないので、本種ほど被害報告は聞かれない。また、名前に「エゾ」と付くものの、北海道だけではなく、全国に分布している。
クロバネアリガタハネカクシ Oedechirus lewisius
同じく似たような姿のハネカクシだが、アオバよりやや小型になり、6mmほどとなる。色合いは名前通り、翅の黒みがやや強いが、本種と混同される事も多い。

脚注

  1. ^ a b c 『世界大百科事典』平凡社。
  2. ^ a b c 中根猛彦『日本大百科全書 ニッポニカ』小学館。
  3. ^ 夏秋優『Dr.夏秋の臨床図鑑 虫と皮膚炎』学研プラス、2013年、15頁。 
  4. ^ a b 「失明の可能性も」謎の炎症起こす“やけど虫”の正体は”. 西日本新聞 (2020年8月29日). 2020年8月31日閲覧。
  5. ^ a b やけど虫(アオバアリガタハネカクシ)|お家の虫を判定する|アース害虫駆除なんでも事典”. アース害虫駆除なんでも事典. 2022年7月30日閲覧。



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