ねっちゅう‐しょう〔‐シヤウ〕【熱中症】
読み方:ねっちゅうしょう
高温環境にさらされたために起こる障害。脱水・けいれん・虚脱などが現れる。熱射病もこの一種。高温障害。発症の危険度を判断する数値に、暑さ指数(湿球黒球(しっきゅうこっきゅう)温度)がある。→湿球黒球温度
[補説] 熱中症の重症度による分類
分類 | 重症度 | 主な症状 | 治療 | 臨床症状 |
I度 | 軽症 | めまい・失神、筋肉痛・筋肉の硬直(こむら返り)、大量の発汗 | 現場での応急処置が可能 | 熱けいれん・熱失神 |
II度 | 中等症 | 頭痛・気分の不快・吐き気・おう吐、力が入らない、体がぐったりする | 病院への搬送が必要 | 熱疲労 |
III度 | 重症 | 意識がなくなる、けいれん、歩けない、刺激への反応がおかしい、高体温 | 入院・集中治療が必要 | 熱射病 |
熱中症(ねっちゅうしょう)
真夏の炎天下で、激しい運動や重労働によって引き起こされる体調不全のことを熱中症という。熱けいれん、熱疲労、熱射病などの総称として使われる。
「熱けいれん」は、汗をかいて大量の塩分が失われることで、血液中の塩分不足により筋にけいれんを引き起こす。手足のしびれとなって現れることが多い。また、汗をかいて大量の水分の失うと、体内の水分とイオンが減少して脱水症状が現れる。これを「熱疲労」という。
暑い中にずっといて体温を調整する機能がまひすると、体温が過度に上昇して「熱射病」になる。熱射病は、体の中枢機能に異常をもたらし、重症になると意識障害を引き起こす。
東京消防庁の統計によると、東京都の救急車で7月から8月までに搬送された人数は、1999年は234人、2000年は356人だった。今年は、これらを上回るペースで増加しているという。
熱中症を防ぐため、作業が長時間におよぶときには途中で休憩を入れるなどの工夫をし、まめに水分を補給するのがよい。場合によっては、熱中症により命を落とすこともあるだけに、細心の注意が必要だ。
(2001.07.23更新)
熱中症 (ねっちゅうしょう)
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