つまみ簪・花簪
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/09 20:16 UTC 版)
やや特殊な簪としては、京都の舞妓や東京の半玉が身につけるつまみ簪(花簪)がある。花は絹の羽二重や水引細工で作られた色鮮やかなもので、舞妓が付ける花簪は月ごとに決まっており、四季の移り変わりを表現し、その舞妓の芸歴・趣味を反映させる。舞妓になって一年未満は花の一つ一つが小さく、簪の下に垂れ下がる「ぶら」が付いているが、二年目以降はぶらが取れる。年長になる程花が大振りのものになっていく傾向がある。現在舞妓用の簪は、京都八坂神社近くの「金竹堂」等、数店が手がけている。 一月:「松竹梅」あるいは「羽子板」「糸車」「寒菊」など。正月(京の花街は15日まで)は「稲穂と鳩」を舞妓は髷の右、芸妓は左につける。鶴亀などを添えることも。鳩の目を意中の人に書いてもらうと恋が成就すると伝えられている。 二月:「梅」(蝶や結び文を添えることも)や他に節分のおばけに付ける「くす玉」「かざぐるま」などもある。(他に水仙を挿すこともある) 三月:「菜の花」(蝶を添えることも) 他に「水仙」「桃」「牡丹」 四月:「桜」 他に「五郎蝶」 五月:「藤」 他に「あやめ」 六月:「柳(撫子の花が付いている)」 他に「紫陽花」 七月:「団扇」祇園祭の期間(の内の7月10日頃~24日)に付ける「お祭り」 八月:「ススキ」 他に「朝顔」 九月:「桔梗」 他に「萩」 十月:「菊」 十一月:「紅葉」 他に「いちょう」 十二月:「まねき」(歌舞伎役者などの名前を記す木の看板)(これに「餅花」の飾りが付いていることも) 顔見世公演の際に楽屋を訪ねひいきの役者に簪の「まねき」に名前を入れてもらうという慣わしがある。 また、大相撲観戦時に「軍配形」の簪を差すこともある。これも「まねき」同様に立行司に名前などを書いてもらう。
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