かぐやによる成果
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本格的な解析として、地形カメラが撮影した月南極のシャクルトン・クレーター内の解析を行った結果、露出した氷(水の氷)がほとんど存在しなかったことを明らかにした。2008年10月23日付の科学誌「サイエンス」(オンライン版)に掲載された。 クレーター年代学により、月の裏側のモスクワの海などの形成年代の調査を行い、従来の推定結果よりも5億年以上、形成時期が若いことを明らかにした。2008年11月7日付の「サイエンス」(オンライン版)に掲載された。 約677万地点を観測したデータを使い、従来よりも詳細な月の地形図を国立天文台、国土地理院と共同で製作を行い、月の最高峰は10.75キロメートル(従来の値を約3キロ上回る)、最深部がマイナス9.06キロメートルであるといった成果が2009年2月13日付の米科学誌サイエンスに発表された。 日本放送協会が搭載したハイビジョンカメラで、「満地球の出」、「月面」などの撮影に成功。半影月食が起きた2009年2月19日には、月から見た地球の「ダイヤモンドリング」の撮影に世界で初めて成功した。 子衛星(リレー衛星(おきな))を用いた、月の裏側の重力異常の観測に成功。これによりジャイアント・インパクト説の信憑性が高まった。 月の極点での日照量を正確に測定し、月に永久日照領域が存在しないことを明らかにした。また、月に永久影が存在することを明らかにした。かぐやが観測した永久影の地形データを基に、NASAのエルクロスが2009年に月の水を世界で初めて発見した。 2008年5月20日にJAXAから「ハロー」と呼ばれるアポロ15号 (LM) の噴射跡を観測・確認した旨が発表された。 ガンマ線分光計(GRS)を用いて、原子力発電所の燃料となりうるウランを、月面から初めて検出した。 2009年6月11日、最後のミッションとしてギル・クレーター付近の目標地点への制御落下に成功、将来の月面着陸型無人探査機の投入に向けた技術的検証が行われた。 月の表側にある嵐の大洋の西部にある「マリウス丘」に、直径65メートル、深さ80~90メートルの縦穴(マリウスヒルズホール)を発見した。穴に差し込む太陽光と影を分析した結果、この縦穴の下には、横幅370メートル、内高20~30メートルのトンネルが存在することが明らかになった。トンネルは、長さ数十キロメートルに及ぶ地下の溶岩洞窟である可能性があり、将来の月基地の候補になるという。 2017年10月18日、JAXAは観測データの解析結果から、先に発見された「マリウス丘」近辺の縦穴(マリウスヒルズホール)について、電波を使って得た周辺の地下構造のデータを調べたところ、この縦穴から西に向かって幅100メートルほどの空洞が約50kmにわたって続いていることがわかったと発表した。 科学探査ミッションで得られたデータを、2013年2月時点も解析中。
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