あっかんとは? わかりやすく解説

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圧巻

読み方:あっかん

「圧巻」とは、「ひとつの作品の中で最も優れている部分」を意味する表現である。もともとは「傑出した詩文」を指す表現であったが、今日では詩文文章表現限らず演技演奏芸術表現スポーツの技、工芸技術映画のシーン等々多方面において「特に優れている部分」を指す意味で用いられている。

「圧巻」は、一個作品の中でとりわけ優れた部分を指す表現である。「他の作品比較して格段にこちらが優れている」という意味の表現としてはふさわしくない。他と比較する場合は「圧倒(的)」のような言い方用いれば適切に表現できる

景色景観すばらしいさまを「圧巻の景色」のように表現する言い方があるが、これも「圧巻」の本来の意味今ひとつそぐわない。おそらく「壮観」と混同されている。あるいは、混同に基づく誤用広がったか、「圧巻」の意味用法が「とても素晴らしい」程度拡大解釈された結果とも考えられる

「圧巻」の語源・由来

「圧巻」という言葉そもそもの由来は、古代中国行われていた官吏登用試験科挙」に由来する。「巻」は科挙答案のことである。科挙では採点後に答案積み上げ、最も優秀な答案を一番上に置く習わしがあった。この「一番上置かれた最も優れた答案」が「他を圧する巻」という意味で「圧巻」と呼ばれ、「最も優れたもの」を指す代名詞的な表現として定着した

「圧巻」は当初もっぱら詩文分野において用いられた。後にさまざまな分野使われる表現となった

「圧巻」の熟語・言い回し

「圧巻の景色」「圧巻の風景」

「圧巻の景色」や「圧巻の風景」は、おおむね圧倒的に素晴らし景色眺めの意味用いられることのある言い回しである。

「圧巻の景色」という言い方は、「圧巻」の本来の意味用法からの乖離大きい。そのため昨今でも正し用法としては扱われにくく、むしろ誤用みなされる場合少なくない

あえて「圧巻の景色」と表現するよりは「圧倒的な景色」「壮観」「素晴らし眺め」などと言い換えた方が無難である。

「圧巻する」

「圧巻する」という言い方はない。誤用である。おそらく「圧倒」をはじめとする多く二字熟語が、名詞としてもサ変動詞(「圧倒する」)としても使えるため、「圧巻」もこれに倣って動詞化したもの考えられる。しかし「圧巻」には動詞用法はない。「圧巻」には名詞用法しかない

「圧巻だ」「圧巻である」などの叙述適切な表現である。

「圧巻の美しさ」

「圧巻の美しさ」とは、おおむね圧倒的な美しさ」「格段に美しいさま」くらいの意味用いられることのある言い回しである。

「圧巻の美しさ」は、「圧巻」の本来の意味則して作品全体の中で特にこの部分傑出して美しい」という意味で用いられている可能性もあるが、単に「圧巻」と「圧倒(的な)」を混同した不正確な表現である可能性も高い。

「圧巻の一言」

「圧巻の一言」とは、まさに「圧巻」という表現がふさわしい、「圧巻」という言葉過不足なく端的に言い表せる、むしろ「圧巻」以外の表現は余計である、といった意味を込めて用いられる賛辞表現である。「~は圧巻の一言。」と体止め叙述されることが多い。

「まさに圧巻」

「まさに圧巻」とは、「圧巻である(最も優れた部分といえる)」ということ強調して述べ表現である。「まさに(正に)」は「間違いなく」「本当に」などと同様、叙述内容確かな事実であるという意味を示す表現である。

例、「北島マヤ演じヘレン・ケラーが《》の概念通じて言葉存在理解するシーンは、まさに圧巻である」。

「まさに圧巻」は「圧巻の一言」とも言い換えられる。「まさに圧巻の一言」とも表現できる。ただし「まさに圧巻の一言」とまで言うと少々くどい表現聞こえるかもしれない

あっ‐かん〔‐クワン〕【圧巻】

読み方:あっかん

《「巻」は、昔の中国官吏登用試験答案。最優等者のものをいちばん上にのせたところから書物の中で最もすぐれた詩文作中最もすぐれた部分転じて全体の中で、最もすぐれた部分出色(しゅっしょく)。「恋人との別離場面は—だ」


あっ‐かん〔アク‐〕【悪感】

読み方:あっかん

不愉快な感じ悪感情


あっ‐かん〔アク‐〕【悪漢】

読み方:あっかん

悪事を働く男。わるもの



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