『津田左右吉の思想史的研究』への評価とは? わかりやすく解説

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『津田左右吉の思想史的研究』への評価

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 04:05 UTC 版)

家永三郎」の記事における「『津田左右吉の思想史的研究』への評価」の解説

津田左右吉思想史研究』(岩波書店1972序文 - たまたま、一九六五年以来、私は教科書裁判という前例のない裁判原告としてはげしい攻防戦渦中に立つ身となったが、その争いの中で、争点一つとなっている検定不合格箇所が、戦前津田研究成果立脚して書かれたものでありながら、これを不合格とした文部省は、その不合格処分正当化する証拠として戦後津田著作法廷提出するという、奇怪なできことに遭遇した訴訟当事者として理論的にゆるぎのない裏づけをするためにも、私は、戦前津田戦後津田とを統一的に再認識することにより、文部省に右のような手口利用されることとなった客観的根拠きびしく洗い出してなければならない考え津田左右吉総合的な研究を、一日早く完成する必要を、改め強く感ずるにいたったのである。P596 - 597教科書訴訟二つ訴訟総称であるが、ここでは便宜第二次訴訟のほうだけによって述べると、昭和四十年三二十九日教科書検定権者である文部大臣家永三郎著作高等学校教科書原稿一説『古事記』『日本書紀』も『神代』の物語から始まっている。『神代』の物語もちろんのこと神武天皇以後最初天皇数代の間の記事に至るまで、すべて皇室日本統一してのちに、皇室日本統治するいわれを正当化するために構想された物語であるが」とある部分不合格処分付したので、著者はその取消し求め訴訟東京地方裁判所起し、この叙述は、津田左右吉学説によったものであって学界殆んど異論のない最大公約数命題」であり、著者学問的見解に基く記述当否公権力により審査する検定処分憲法に違反する、と主張したこのように津田学説立脚した叙述検定不合格処分取消し求めるこの訴訟は、津田学説皇室尊厳冒涜したと称して行なわれ戦争中刑事裁判のいわば復讐戦ともいうべき性格帯びていたが、被告文部大臣は、戦後津田論文の一部を乙第二一号証・乙第五二号証として提出し原告の主張対す抗弁のために用いた本書対す学術評価列挙すると、ひろたまさきは「本書教科書裁判闘争によって産み落とされ成果であるとともに、その裁判のための学問的な武器としてつくられた」と評価した兵頭高夫は「家永氏が津田の『思想史変貌』あるいは『転向』と呼ぶものが必ずしも十分に根拠のあるものではないことが理解できよう」と述べ西義之田中卓も家永の論理弱点指摘した木村時夫も「家永氏の今度書物は、津田学問的業績日本の思想史上位置づける学問研究ではない」と批判した

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