『君の名は。』聖地巡礼
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/19 04:27 UTC 版)
「飛騨市図書館」の記事における「『君の名は。』聖地巡礼」の解説
飛騨市図書館は、新海誠の映画『君の名は。』の中で、主人公の瀧が三葉の住む糸守町(いともりまち)について調べた図書館のモデルとなっている。映画が公開された2016年(平成28年)8月26日以降、同館には連日聖地巡礼にファンが訪れており、同年9月上旬の時点で平日に2 - 3組、休日に4 - 5組の来訪があったがその後10月は平日に100人、休日は300 - 500人にまで膨れ上がった。図書館にとっては想定外の事態であり、それまで調査していなかった入館者数を急きょ記録するようになった。こうした中で同館は「聖地巡礼者の皆様へ」と題した注意事項を発表したが、その内容は館内の写真撮影禁止ではなく、カウンターで許可を得た上で他の利用者の顔が識別できないように撮影してほしいというものであった。(この対応は『君の名は。』の聖地巡礼に対する特別措置ではなく、従来から撮影は可能であったという。)聖地巡礼に理解を示した同館の対応はインターネット上で称賛を受け、写真撮影に関する同館公式twitterのツイートは1,000リツイートを突破した。そして撮影した写真をインターネットで公開する場合は「飛騨市図書館きたよ」と書いてほしいとしている。映画公開日の8月26日から12月31日までに実際に館内の撮影を申し込んだ人は32,600人に達し、来館者がスマートフォンで館内の写真を撮影するという光景は飛騨市図書館の「日常」と化した。記録を取り始めた2016年(平成28年)8月から2017年(平成29年)12月までの入館者数は109,730人に上った。 また、同館の一角に関連書などを集めた特設コーナーが設置された。2016年(平成28年)12月に中国大陸で『君の名は。』が公開されると中国人の巡礼者も訪れるようになり、特設コーナーにメッセージやイラストを寄せている。トレンドExpressによる新浪微博(ウェイボー)分析結果によると、中国人による2019年(令和元年)7月の日本の観光地訪問ランキングの18位に飛騨市図書館が入った。2017年(平成29年)1月18日には台湾から中国時報とETtoday(中国語版)が『君の名は。』の舞台の取材のために飛騨市図書館を訪れた。 撮影に関するルールを執筆した職員は『君の名は。』をまだ見ていないとwithnewsの取材に答えている(2016年9月現在)。飛騨地方にあった唯一の映画館である高山旭座は2014年(平成26年)に閉館しており、『君の名は。』を見るためには片道1時間半をかけて富山市(TOHOシネマズファボーレ富山)まで行く必要があることから、モデルとなった場所であるにもかかわらず映画を見られていない飛騨市民が多いという。飛騨市では映画公開前から上映会ができないかどうか東宝と交渉しフィルム確保等の問題から難航したが、11月6日に飛騨市文化交流センターで3回上映された。 なお『君の名は。』の聖地巡礼に関しては、「聖地」の近隣住民から騒音等の苦情があることを製作委員会が発表し、節度ある行動を求めている。
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