「U 154」艦長としての初めての哨戒とは? わかりやすく解説

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「U 154」艦長としての初めての哨戒

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/31 09:03 UTC 版)

オスカー・クッシュ」の記事における「「U 154」艦長としての初めての哨戒」の解説

1943年3月20日、「U 154」は新たな艦長クッシュとともに全体として5回目哨戒に出るべく、ロリアンを後にした。出発の少し前、クッシュ機関員に 「そこの写真をどけろ。ここでは盲目的な崇拝などしてはならん。」 と言葉をかけ、士官室に飾ってあった総統写真片づけるよう命じたクッシュ部下士官の間には政治的な対立があることが、早期明らかになる。なぜならナチス政権反対するクッシュと、ナチズム確信的な信奉者であったアーベルおよびドゥルッシェルは、しばしば兵の面前討論及んでいたからである。クッシュ2回目の哨戒船医として乗務したノートドゥルフト(Nothdurft)は後に、アーベルとドゥルッシェルを「勝利を信じ、常に総統従者であることを誇りにしていた典型的な士官であった回想している。証言によればこのような会話克服しがたいイデオロギー的な対立があったにも関わらず、常に戦友としての絆を感じさせる調子交わされていたという。 クッシュ反ナチス的な考え方隠そうとしなかった。それどころか、その姿勢乗組員すべてが知っていたのであるUボート艦内狭くクッシュ考え方はすぐに知れ渡った士官候補生のキルヒアマー(Kirchammer)は、後に軍法会議で 「被告我ら士官候補生に、独自の意見育んでプロパガンダ影響受けないように、と話したことがある。」 と証言したまた、クッシュ乗組員の間に次のような冗談広めている。 「ドイツ国民とサナダムシ共通することは何だどちらも茶色の塊に囲まれ、常に捕まる危険に脅かされているのさ。」 士官たちの関係が決裂したのは1943年7月3日、「U 126 (U 126) 」が航空機攻撃により、「U 154」のすぐ近く撃沈された時であった午前2時44分、敵機飛来し爆雷投下した時は、どちらの艦もロリアンへの帰途にあった。「U 126」と「U 154」は攻撃回避するため、すぐ潜航する。潜航後は「U 126」と通信することが不可能だったので、クッシュは「U 126」が事前取り決め通り潜水したまま航行続けて射程外に出たものと推測した。しかし少し後、「U 154」の発令所は水圧による「U 126」の爆縮思われる破断音を確認したクッシュ潜航継続決意し午前7時7分に攻撃地点から4海里の場所に浮上して生存者捜索する。しかし午前8時33分、再び攻撃を受けかねないことから捜索打ち切った。 後に攻撃受けている時と、それに続く行動Uボート艦隊司令官 (de:Befehlshaber der Unterseeboote) によって正当と評価されたものの、キルヒアマーの証言拠ればアーベル潜航の少し後、艦長積極的な救難活動を行わなかったことを強く非難した。なぜなら、「U 126」にはアーベル親し友人勤務していたからである。しかしクッシュは、自艦を危険に晒さないため浮上却下した。 「この瞬間からアーベル正に憎しみ燃えこれまで政治的な意見真っ向から対立していても公私わたって見ることのできた、士官協調関係は完全に破壊されのである。」 加えてアーベル哨戒後、クッシュから艦長職には不向きであると評価された。この点を通信下士官のヤンカー(Janker)は「アーベル復讐報復を願うようになったそもそもの理由」と受け止めている。

※この「「U 154」艦長としての初めての哨戒」の解説は、「オスカー・クッシュ」の解説の一部です。
「「U 154」艦長としての初めての哨戒」を含む「オスカー・クッシュ」の記事については、「オスカー・クッシュ」の概要を参照ください。

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