「Tune Up」と「Countdown」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/09/11 01:14 UTC 版)
「コルトレーン・チェンジズ」の記事における「「Tune Up」と「Countdown」」の解説
ii V I ii V I| Em7 | A7 | DM7 - | Dm7 | G7 | CM7 - | これはマイルス・デイヴィス作曲の「Tune Up」の出だし8小節である。そのコード進行は比較的簡単であり、ジャズでは極めて一般的なii-V-I 進行の簡単な応用である。 ii * * I ii * * I| Em7 F7 | B♭M7 Db7 | G♭M7 A7 | DM7 | Dm7 E♭7 | A♭M7 B7 | EM7 G7 | CM7 | コルトレーンはこれを「Countdown」の中で改造し、より複雑になって現れる。ii と I は残っているが、その間に互いの I の真ん中に配された長3度循環から他の二つのコード(*)が配置されている。長3度循環から先行するそれぞれのコードがその V コードである。「Giant Steps」のアルバムにおいて、タイトルチューンとなったGiant Stepsがより知られているが、3曲目に収録されているこの「Countdown」は、実は「Giant Steps」を更に進化させて6-tonicとして、しかもテンポも限界まで上げて、インプロヴィゼーションの難易度の極限をすでにここで実現していると言っても過言ではない。ここで重要なのは、理論的に理解さえすればこのような曲を書くのは容易だが、そのコード進行にあったインプロヴィゼーションをするのには、究極の技術が必要なことであり、コルトレーンはその技術を自ら最初に極めてあらゆるジャズプレイヤーを結果的に鼓舞することとなったことである。 初期のコルトレーンの作品「Lazy Bird」でもすでに、その「A」セクションの中で、二つの色調に長3度を使っている。
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