「黒い霧ブーム」とは? わかりやすく解説

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「黒い霧ブーム」

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/26 21:54 UTC 版)

日本の黒い霧」の記事における「「黒い霧ブーム」」の解説

清張12編の中でもっとも力を入れたのは、第1話下山国鉄総裁謀殺論」である。清張国鉄職員大量解雇などの情勢下山事件前日までに取っていた不審な行動下着付着していた油と色素など、さまざまな資料手掛かり真相探った清張がたどり着いた結論は、事件の影にGHQ内部でのGS民政局)とG2参謀第2部)による主導権争いがあり、犯行かかわったのはG2下部組織というものであった清張以前にも、事件背後アメリカ軍存在示唆する噂は発生直後からあり、報道においてもGHQ関与暗にほのめかすものもごく少数あった。しかし、G2謀殺説と犯行グループ存在明快に指摘したのは、清張による『下山国鉄総裁謀殺論』が最初であった清張論証は、「60年安保」に揺れ世情の中で日米関係敏感にならざるを得なかった読者から圧倒的な支持得た第1話好評だったことに清張自信深め以後最終話までGHQ内部対立を軸にアメリカ軍占領下発生した重大事件取り上げ資料駆使自身視点による論証でその真相迫ろうとした。 清張最終話謀略朝鮮戦争』で、今まで取り上げてきたすべての事件は、朝鮮戦争向けたアメリカ軍の「戦略的な伏線』との結論導き出した郷原宏前掲の『清張その時代』(2009年)で『日本の黒い霧』について「これは清張得意な読み切り短編シリーズであり、清張全編通して語り手にして名探偵だったといえなくもない」と論じている。 『日本の黒い霧』は、単行本発売同時にベストセラーとなった。「黒い霧」という言葉当時流行語となり、「黒い霧ブーム」が巻き起こった。「黒い霧」という言葉不可解な事件疑惑形容する言葉となって定着し1966年発覚した政界不祥事1969年プロ野球八百長疑惑それぞれ黒い霧事件」と呼ばれた半藤一利『日本の黒い霧』文春文庫新装改訂版)の帯の推薦文で「よくぞ現代史隠され深部メスを入れたものよ」と書き、さらに「今これだけのものを書ける人はいない、あらため感嘆せざるをえない」と称賛した。保阪は『松本清張昭和史』(2006年)で半言葉を「実に的を射た見方」と評価し、「これらの事件背後アメリカ謀略があったのではないかという視点そのもの日本ジャーナリズム、あるいは作家仕事として希有のものであるといえる事実如何を問わず、この重要性をまず私たち客観的に認めるべきではないかと思う」と記述している。

※この「「黒い霧ブーム」」の解説は、「日本の黒い霧」の解説の一部です。
「「黒い霧ブーム」」を含む「日本の黒い霧」の記事については、「日本の黒い霧」の概要を参照ください。

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