《漢》の正しい読み方
「漢」の正しい読み方
「漢」の読み方は主に「かん」であり、文脈によっては「おとこ」とも読む。「おとこ」は訓読みであり、常用漢字表には記載されていない(いわゆる「表外読み」である)。「痴漢・暴漢・門外漢」のように、「かん」と読んで「おとこ」を意味する語も少なくない。マッチョイズムを強調する語彙として「男」のかわりに「漢(おとこ)」の語が用いられることはままある。
「漢」の意味解説
「漢(かん)」は、古代中国の王朝の名称であり、中国人の大多数を構成する民族(漢民族)の名称、およびその言語(漢語・漢字)や文化(漢詩・漢方・漢籍など)を意味する字である。さらには秦嶺を水源とする河川(漢水)や天の川(天漢)を指す字義も含む。「漢(おとこ)」は、主に成人男性を指す言葉である。とりわけ、逞しい・力強い・勇ましい、といった「男らしさ」の要素を際立たせる語彙として用いられやすい(そうでなければ普通に「男」の語が用いられる)。
男を指す意味で「かん」と読む例は熟語に多く見られる。たとえば「熱血漢」など。この場合の「漢(かん)」には「男らしい男の中の男」という意味合いは特に強調されておらず、単に「成人男子」程度の意味である。
なぜ「漢」を「おとこ」と読むのか・理由
まず「漢」を「かん」と読む理由は、漢語の「漢(ハン)」に準じているためといえる。「漢」を「おとこ」と訓読みするのは、「漢」の字義(=男)に「おとこ」という和語が対応付けられたからといえる。
古代中国(漢)では男性を「漢子(かんし)」といった。そこから「漢」は男を指す語となった。
ちなみに、古語において「男」は「をのこ」「をとこ」という2つの語彙で用いられた。「をのこ」は「めのこ(女の子)」に対する語で、主に成人男性のこと。「をとこ」は元々は「をとめ(乙女)」に対する語で、こちらも成人男性を指すが、特に「若々しい」男というニュアンスがあった。後に「をとこ」は「をんな(女)」と対比される語となり、「性的に成熟した男」というニュアンスを持った。
「漢」の類語・用例・例文
「漢(かん)」を「日本からみた大陸文化」という意味で捉えた場合、類義語・類似表現としては「唐(から)」などが挙げられる。「漢」も「から」と読む用法がある。「漢(おとこ)」の類語としては、「男らしい男」「男の中の男」「大和男子(やまとおのこ)」「日本男児(にっぽんだんじ)」などが候補となり得る。
「漢」の英語用例・例文
古代中国の「漢(かん)」を英語で表現する場合は、中国語の読みに準じた「Han」の語が用いられる。例文にすると「He is a representative of the Han era(彼は漢の時代の代表的な人物だ)」という風になる。「漢(から)」に関しても同様で、「唐(とう)」を意味する「Tang」あるいは、中国全般を指す「China」を使用する。そして、「漢(おとこ)」は、ただ「man」と表現することも可能だが、「男の中の男」という意味の「man among men」という表現を使用することが望ましい。その表現を用いて例文を作ると「He is a man among men who is always brave(いつも勇敢な彼は、漢である)」といった形になる。
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