《為替》の正しい読み方
「為替」の正しい読み方
「為替」は「かわせ」と読む。古くは「かわし」と読んだ(が、現在では読まない)。「ためかえ」は誤読である。ただし、誤解を未然に防ぐ目的で(化学を「ばけがく」と読む要領で)あえて「為替」を「ためかえ」と読むような場合はあり得る。
「為替」の意味解説
為替は本来、遠隔地で商取引する際に現金を直接やりとりせずに債券や債務を決済する仕組みのことである。または、その決済に使われる為替手形、あるいは決済の市場の相場のことである。商業活動が遠隔地まで範囲を広げていった時代、遠方に金銭を持っていく必要が出てきたが、現金輸送には重い貨幣を運搬する手間や道中で盗難に遭うリスクが伴う。そして、手形や証書等の書類を貨幣と交換する金融業者が現れた。手形や証書は金銭と等価に扱われ、商取引に活用された。
なぜ「為替」と読むのか・理由
為替は、動詞「交わす」の連用形の名詞化である「かわし」が変化した語とされる。金銭を書類と交替する様子を指したのであろう。中世では「かはし(かわし)」と読まれていたが、江戸時代頃に「かはせ(かわせ)」に変化したとされる。
「かわせ」を漢字では「為替」と表記するのは、当て字である。「替」には「取り替える」「代わりに行う」、「為」には「~を行う」「~になる」という意味があるため、字義上「為替」は「かはし(かわし)」に対応するといえる。
「為替」の類語・用例・例文
遠隔地間の現金輸送の代わりに手形・小切手・証書などで債券や債務を決済する方法を表す言葉には「内国為替」「外国為替」「送金為替」「取立為替」などがある。また遠隔地間の現金のやり取りを代用するものをあらわす言葉には「為替手形」「小切手」「有価証券」「証書」「証券」などがある。
例文
・今日の為替レートがいくらか教えてほしい。
・額面100万円の為替手形を切ってもらう。
・そちらの銀行で外国為替の取引をお願いしたい。
・為替尻が合わないが原因が分らず途方に暮れている。
・為替相場の変動が激しくて明日のレートが読めない。
・外為相場を読み違えて150万円ほど損をした。
・銀行振込や口座振替も為替取引の一種であり、内国為替とよばれる。
・当店では外国為替の取り扱いをしておりません。
「為替」の英語用例・例文
英語では為替は "money order" や "exchange" などと訳される。例文
・What is the exchange rate ?(為替レートはいくらですか?)
・The rate of exchange is 112 yen to the dollar.(為替相場は1ドル112円だ)
・I will send you 50,000 yen by money order.(5万円を為替で送金する)
・He telegraphed fifty dollars.(彼は電報為替で50ドル送金した)
・The exchange rate was revised.(為替レートを訂正した)
・I sent 10,000 yen in postal notes.(小為替で1万円送った)
・The exchange rate fluctuates daily.(為替レートは毎日変動する)
・The dollar hit the 97 yen mark.(為替相場が1ドル97円になった)
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