《下僕》の正しい読み方
「下僕」の正しい読み方
「下僕」は「げぼく」と読む。慣用的に「下僕」と書いて「しもべ」と読む場合があるが、そもそも「僕」の1字で「しもべ」と読む。「下部(しもべ)」との混同が生じているか、あるいは創作的・便宜的な当て字として「下僕(しもべ)」と読ませている可能性がある。
「下僕」の意味解説
「下僕」とは「召使い」「しもべ」を意味する言葉である。健全な雇用関係ではなく、完全に主人へと服従している場合を指す。そのほか、万葉集をはじめとする古典では「下僕」が、自らをへりくだっているときの呼称として使われている。なお、いずれの意味でも対象が男性のケースで用いられてきた。注意点として、「下僕」は現代では蔑称に該当する。そのため、日常生活で使うことはまずない。いかなる場面であれ、差別的な響きを含む可能性が高い言葉だ。なぜ「下僕」と読むのか・理由
「下僕」は「下(げ)」「僕(ぼく)」ともに音読みである。そもそも「下」には、「階級が劣っている」「誰かに仕えている」といった意味がある。さらに、「僕」は「男性」を意味する漢字だ。つまり、「下」と「僕」をつなぐことで、「階級が劣る男性」の意味になる。それを音読みにし、呼びやすくした形が「下僕(げぼく)」である。「下僕」の類語・用例・例文
「下僕」の類語には「召使い」「従者」「使用人」などがある。ただ、これらの類語は男女に関係なく使われてきた。また、「下僕」のように、一方的に支配されているというニュアンスも含まない。健全な雇用関係が成立している際に使われてきた言葉だ。そのほか、「下人」「下男」といった言葉も、「下僕」に意味が近い。場合によっては、同じ意味の言葉として用いられてきた。以下、「下僕」を使った例文を挙げていく。
「彼は妻のためにただ尽くすだけだった。周囲から下僕のように思われても、彼はまったく恥ずかしくなかった」
「我々は戦いに負けたのだ。これからは敵国の下僕になり、何もかも搾取される毎日が待ち受けているのだろう」
「あのお屋敷に住んでいる老人は、金持ちなのにまったく気取ったところがない。下僕にも公平に接していると聞く」
「下僕たちは自分たちの扱いに疑問を持った。同じ人間なのに、どうしてこれほどまでに不当な仕事を割り振られているのか」
「下僕」の英語用例・例文
「下僕」は英語で「servant」と表現する。「servant」は本来「召使い」「従者」という意味ではあるものの、主人から強い拘束を受けているときに用いる言葉だ。そのため、「下僕」と訳すことも可能である。以下、英語における「下僕」を使った例文を挙げていく。Cleaning up this room seems to be difficult. it's no use. Let's leave it to my servant.(この部屋の後片付けは大変そうだ。仕方がない。下僕に任せよう)
Will I end my life as a servant? I can't forgive it. No matter what I did, I decided to get ahead.(俺は下僕のまま人生を終えるのだろうか。それは許せない。何をしてでも、出世してやると決めた)
- 《下僕》の正しい読み方のページへのリンク