《三枝》の正しい読み方
「三枝」の正しい読み方
植物名として「三枝」を読む場合はミツエダと読む。植物名では別名として使われることが多く、植物の種類や形状に合わせて、ミツマタ・サキクサ・サイグサと発音することもある。また「三枝」は、人名や地名としても多く用いられており、その読みは多数存在する。この場合の読み方は、サンシ・サエグサ・サイグサ・ミエダ・サエクサ・サイクサ・ミツエ・ミツエダである。なお、女性の名として「三枝」が用いられる場合にはミエ・ミツエと読む。「三枝」の意味解説
植物名として「三枝」をミツマタあるいはミツエダと呼ぶ場合は、ジンチョウゲ科に属する落葉性の低木である、ミツマタ属ミツマタの別名を意味している。「三枝」の読みがサキクサならば、ヒノキあるいは植物のオケラ(朮)の別名である。また、サキクサは神武天皇の妃を象徴する花である百合を指す場合もある。現代において「三枝」は百合だけでなく、茎が三又に分かれている植物(ジンチョウゲ・ミツバゼリ・フクジュソウ・ヤマユリなど)全般の別名としても用いられている。なぜ「三枝」と読むのか・理由
諸説あるが、「三枝」をサキクサと読む理由は「咲き草」にあるとされている。これらが転じてサイクサあるいはサイグサと読むようになった。この説によれば、サキクサの「キ」の音が簡略化され子音が外れサイクサと読まれるようになり、さらに発話のしやすさから「ク」が「グ」に変じたと考えられている。また、吉祥を表す幸草(サイワイグサ・サキクサ)」が転じたという説もある。幸草が3つの枝を伸ばすように、3つの枝を出す草花という意味で「三枝」はミツマタとも呼ばれるようになった。なお、名前で使われるサエグサは、明治期以降にサイグサを元にして付けられた苗字である。「三枝」の類語・用例・例文
サキクサと読む場合は、その言葉が示すものに応じて「ヒノキ」や「オケラ」と類語として言い換えができる。3方向に分かれている様子を示すのであれば、三又(叉)や三股が類語としてある。「三枝」は人名として用いられることが多い。森鴎外の「余興」では『塾の舎監をしている、三枝(サイグサ)と云う若い文学士がいた』と用いられている。木暮理太郎の「白馬岳」では『三枝(サエグサ)という牛肉店が人の呼ぶままに、自らもミエダと称しているのは商売の関係上、顧客に便利でさえあればよいのであろうが』と、店名として使われた。「三枝」は草花としての形容として用いられることもある。ライネル・マリア・リルケの「家常茶飯 附・現代思想(翻訳、森 林太郎)」では『詩の中で、「森のなかなる七つの城に、三枝に花を咲かせた」家だといっています』と使われている。
ことわざとしての用例では「三枝之礼(さんしのれい)」がある。鳩の子どもは親鳩が止まる枝よりも、三本下の枝に止まり、礼節を尽くすということから生まれた言葉だ。これは親に対して礼節を尽くすこと、あるいは親孝行をするという意味を示している。
「三枝」の英語用例・例文
「三枝」が人名や地名として用いられる場合は、そのままアルファベットでつづることになる。サイグサなら「Saigusa」、サエグサなら「Saegusa」とつづる。枝分かれしているように3つに分かれている様子を表すなら「trifurcated(trifurcateの過去・過去分詞形)」となり『The river trifurcates near by a sea.(川は海の近くで三枝に分かれています)』のように使う。また『My offereings are a few branches of mube tree.(供へるものとては、野の木瓜の二枝三枝)というように』、数本の枝(a few branch)というように表すこともある。なお、ヒノキを表すなら「cedar」あるいは「white cedar」、オケラならば「Atractylodes japonica」と書く。- 《三枝》の正しい読み方のページへのリンク