蒸溜所とは? わかりやすく解説

蒸溜所

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 18:34 UTC 版)

ジャパニーズ・ウイスキー」の記事における「蒸溜所」の解説

ジャパニーズ・ウイスキー製造スコッチ・ウイスキー製造方式再現するというところから始められた。竹鶴などのジャパニーズ・ウイスキー先駆者たちスコッチ・ウイスキー製造過程学び、その製法日本再現しよう多く苦労重ねた日本初蒸留所造られ山崎経済的な制約があり、より便利な場所に建設することが重視されたが、余市は特にその地形気候スコットランド似ているため、蒸留所設置場所として選定された。北海道厚岸町蒸留所建てた堅展実業スコットランドアイラ島似た風土から立地決めたが、スコットランドよりは年間寒暖差は大きく熟成隙間から蒸散して原酒が減る「天使の分け前」がスコットランドの2倍近いものの、熟成速いという。 日本にある蒸留所のうち、主なものを以下、会社別に挙げるサントリー山崎蒸溜所大阪府三島郡島本町白州蒸溜所山梨県北杜市白州町知多蒸溜所愛知県知多市)- グレーンウイスキー専業サントリー知多蒸溜所株式会社 ニッカウヰスキー - アサヒグループ余市蒸溜所北海道余市郡余市町宮城峡蒸溜所宮城県仙台市キリンディスティラリー - キリン系列富士御殿場蒸溜所静岡県御殿場市宝酒造松戸工場千葉県松戸市白河工場閉鎖)- 旧大黒葡萄酒株式会社白河工場2003年閉鎖松戸移転本坊酒造マルス信州蒸溜所長野県上伊那郡宮田村マルス津貫蒸溜所(鹿児島県南さつま市加世田津貫) - 2016年11月同社創業の地新設された蒸溜所。熟成経た製品出荷2020年予定山梨蒸溜所(閉鎖) - 1960年1981年稼働 鹿児島蒸溜所(閉鎖) - 1953年1984年稼働 若鶴酒造三郎丸蒸溜所富山県砺波市) - 富山日本酒メーカーとして名高い若鶴酒造は、1952年にはウイスキー製造免許取得し自社蒸留行ってきた。製造開始した翌年1953年製造設備全て焼失したが、半年かからず再建以降小規模ながらウイスキー製造続けてきたが、施設全体老朽化著しく、これを見学可能な蒸留所として改修するため、2016年クラウドファンディング利用した資金集め行い、これに成功した世界初となると錫の合金使用した国産鋳造ポットスチル「ZEMON」を2機設置稼働させている。見学ラインは、実際製造工程機器間近で見ることができる様に整備されている。クラウドファンディングにより整備されゲストハウス見学者の他、地域会合などに使用できる様に解放されており、また、オンライン配信機材備えリモート見学会などのイベント活用される江井ヶ嶋酒造江井ヶ嶋酒造ウイスキー蒸溜所(兵庫県明石市) - 江井ヶ嶋酒造ウイスキー製造開始早く1919年には製造免許取得している。現在の蒸溜所は1984年新設したもの。 ベンチャーウイスキー秩父蒸溜所埼玉県秩父市)- 2004年閉鎖した東亜酒造羽生蒸溜所埼玉県羽生市)の原酒引き取って 創業秩父市新たに蒸溜所を作り2008年2月稼働秩父第2蒸溜所(埼玉県秩父市)- 最初の蒸溜所の近隣設置された蒸溜所。2018年4月着工2019年10月本格稼働開始当初秩父蒸溜所の5倍の生産量だが将来的に2シフト制にして10倍にする。 宮下酒造岡山蒸溜所(岡山県岡山市)- 独歩ビールなどで有名な宮下酒造創業100周年記念し本社工場岡山県岡山市中区)内でウイスキー製造2012年6月から開始している。当初焼酎用の「ステンレス製蒸留器試験製造行っていたが、2015年7月ウイスキー用の銅製ポットスチル導入し本格稼働させた。その後2017年には蒸溜所を同社直営観光酒蔵酒工独歩館」横へ移転した製品出荷2018年 で、限定販売の「シングルモルトウイスキー岡山」および早期熟成酒「新歩」が販売されている。 笹の川酒造安積蒸溜所福島県郡山市) - 笹の川酒造戦後すぐにウイスキー販売開始し1980年代の地ウイスキーブームの際には蒸溜所を設け稼働させていたが、ブーム後需要低迷により1990年代に蒸溜所は閉鎖された(それまで製造していたウイスキー販売継続)。しかしウイスキー需要回復してきたため、2016年設備一新し蒸留再開した木内酒造八郷蒸留所茨城県石岡市) - 「常陸野ネストビール」などの地ビール有名な木内酒造は、2015年10月5日額田醸造所茨城県那珂市)内にウイスキー製造プラント新設し製造免許取得した2016年2月製造開始した。さらに事業拡大をめざし、石岡市蒸留所新設することを決定した稼働開始発表2019年6月ごろとされていたが、その後2020年春変更生産能力年間12リットル。また同施設内には2020年熟成棟を新設する予定堅展実業厚岸蒸溜所北海道厚岸郡厚岸町) - 食品原材料輸入酒類輸出手がける堅展実業本社東京)が北海道厚岸町新設した蒸溜所。2016年11月本格稼働開始2018年2月早期熟成酒出荷開始したガイアフロー静岡蒸溜所静岡県静岡市葵区) - 2015年3月酒類輸入販売を手がけていたガイアフロー株式会社は、2011年閉鎖されメルシャン軽井沢蒸溜所製造設備一式酒類製造のために稼働させることを目的として取得購入子会社ガイアフローディスティリング株式会社)。さらに静岡市内に蒸溜所を建設することを発表した2016年10月製造開始した長濱浪漫ビール長濱蒸溜所滋賀県長浜市朝日町) - 2016年11月新設され小規模蒸溜所。 小正醸造嘉之助蒸溜所(鹿児島県日置市日吉町神之川) - 長期貯蔵米焼酎「メローコヅル」などを手掛ける小正醸造地元日置市新設し蒸留所2017年11月稼働開始蒸留所の名前は同社2代目社長小正嘉之助に由来している。2018年から未熟成酒および早期熟成酒販売開始サクラオブルワリーアンドディスティラリーSAKURAO DISTILLERY広島県廿日市市) - サクラオブルワリーアンドディスティラリー当時中国醸造)は1938年からウイスキー当時酒税法による2級ウイスキー販売始め1989年終了)、2008年には「戸河内ウイスキー」を発売している。これらは輸入モルトブレンド品であるが、同社100周年事業として2017年12月「SAKURAO DISTILLERY」を新設し自社生産始めた2019年現在、同蒸留所主力商品クラフトジンであるが、2021年ウイスキー出荷予定されている。 株式会社金龍遊佐蒸留所山形県遊佐町) - 金龍山形県焼酎メーカーであるが、2018年9月ウイスキー製造免許取得し11月から蒸溜所を本格稼働させた。3 - 5年熟成後出予定松井酒造合名会社倉吉蒸留所鳥取県倉吉市) - 松井酒造合名会社ウイスキー製造免許所得したのは2015年だが、自社蒸留施設について一切公表してこなかった。それにも関わらず製品に「倉吉蒸留所」の表記があり、これを一般客が問題にしたところ、代表者開き直りとも思えるメッセージ自社Webサイト上で発表して物議を醸したその後2018年になってポットスチル備えた倉吉蒸留所新設実際蒸留始めた八海醸造蒸留所未定北海道ニセコ町) - 日本酒八海山」で有名な八海醸造が、「ニセコ温泉郷 いこいの湯宿 いろは」に隣接する町有地建設する蒸留所規模延べ約1200m2。年間生産能力は90kL。2020年末の生産開始2023年以降製品出荷目指す新潟小規模蒸溜所新潟亀田蒸溜所(新潟県新潟市南区)- 新潟県内印章製造・販売店をチェーン展開する株式会社大谷中心となり、企業個人出資募る合同会社蒸留所大谷本社工場倉庫改装し、英フォーサイス社製の小型ポットスチル設置製造に際してウイスキー文化研究所(東京)の指導を受ける。2020年4月稼働目指す新潟麦酒蒸留所新潟県新潟市西蒲区)- 新潟地ビールメーカー蒸留所新潟麦酒輸入原酒ブレンドした「越ノ忍」が海外品評会での受賞歴を持つが、2019年本社敷地内蒸留所新設した。 蒸留所未定新潟県佐渡市) - 佐渡市株式会社環保全事業との共同事業で、同社倉庫改装した蒸留所原料大麦には佐渡産のものが使われ、この調達環境保全事業担当する製造2019年9月予定将来的には貯蔵庫設置し観光施設としても活用予定ヘリオス酒造蒸溜所情報不明 - 沖縄総合酒造メーカーであるヘリオス酒造ウイスキー製造免許取得しており、1980年代から製品出荷行っていた。しかし当時のウイスキーブームが下火となったため製造休止貯蔵していた在庫を、2016年コンビニエンスストアローソン限定原酒用いた「暦15年」と原酒20%の「ピュアモルト暦」として販売した2010年代入ってウイスキー再度ブームとなったため製造再開し2017年製造熟成3年新酒許田カスクストレングス2020」を2020年末に販売した。 (以下は既に閉鎖しているが、製品流通続いているため参考のため掲載メルシャン閉鎖時はキリン軽井沢ウイスキー蒸留所長野県北佐久郡御代田町) - 旧・大黒葡萄酒オーシャン株式会社(後の三楽オーシャン三楽メルシャン軽井沢工場2012年全閉鎖。同蒸溜所の名前を冠した軽井沢」は蒸溜所閉鎖後海外オークションにおいて超高額取引されている。なお、同蒸留所製造設備一式前述のようにガイアフロー購入同社蒸留所設備として再活用されている。

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蒸溜所

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軽井沢 (ウイスキー)」の記事における「蒸溜所」の解説

軽井沢蒸溜所設立以前1952年大黒葡萄酒(後にオーシャン社名変更)は塩尻ウイスキー生産開始していたが、これを本格化するため、1955年ワイン製造行っていた軽井沢農場ウイスキー蒸溜所の建設開始し、翌1956年にはウイスキー生産始まった。 蒸溜所自体閉鎖まで同地にあったが、1962年メルシャン(旧・三楽オーシャン三楽)がオーシャン買収、さらに2007年キリングループメルシャン買収したキリングループ傘下となったことで、グループ内の事業再編対象となり、2012年には完全閉となった2013年にはメルシャン株式会社が蒸溜所の土地・施設御代田町土地開発公社売却2015年2月19日ウイスキー製造設備一式御代田町からガイアフローディスティリング株式会社売却された。この設備一部ガイアフロー静岡蒸溜所利用されている。 本蒸溜所最後のモルト・マスターは、その後ベンチャーウイスキーのチーフ・ディスティラーを務めている。

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