学校コント
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「8時だョ!全員集合のコント」の記事における「学校コント」の解説
ゲストが必ず登場するおなじみのコント。「ドリフの国語算数理科社会」と題し、いかりやが先生役で他の4人は生徒役である。 黒板に表示される日付は、生放送である以上、正規の放送日を表記している(8月や12月末、3月下旬といった長期休暇期間でもこのコントが実施される事があり、この場合も現実の日付が表記される。その為、登校日や補習という体裁にしたり、新学期直前の週では一足早く新学期が始まったという形にして、実際の学校は休みであるという現実との辻褄を合わせていた)。 コント初回は第6回(1969年11月8日、川口市民会館)で、女子校が舞台であった。 コントの最後となったのは第792回(1985年7月13日、TBS・Gスタジオ)。 放送回数は番組歴代1位となる全85回。 シリーズの中には異色なのもあり、第22回(1970年2月28日、サンケイホール)では縄文時代が舞台となり、国語の授業では象形文字が使われていた。 女性生徒役のゲストは授業開始前に普通に登場し、ベルが鳴った後にドリフメンバー(稀に男性生徒役のゲストも)の4人が遅刻という形で登場する。また、回によっては、ベルが鳴った後に女性生徒役ゲストとドリフメンバーの4人が遅刻せずに立て続けに登場し、ドリフメンバーがランドセル投げなどの騒ぎを起こす形の場面もあった。このコントにはズッコケがよく見られ、たいていは女性生徒役ゲストは普通ないし優等生的な答えをする反面、ドリフがボケる役だった。教師用の机は天板の片側が外れる仕組みになっており、教師役のいかりやがズッコケる、もしくは志村がその机の下に隠れてそれに気づかずいかりやが「志村!」といった後志村が「はいっ!」といって片側を挙げると顔面を直撃するようになっていた。男性生徒役のゲストもドリフと一緒に「ボケ役」にまわる事もあった。郷ひろみが共演した回では宿題の作文の読み上げで「作文、イレブン、いい気分。開いててよかった。はっはっはっは〜」(セブン-イレブンのサウンドロゴ)とボケた。ドリフ以外の男子生徒が登場する場合は転校生という設定が多く、脱退後の荒井注がこのコントにて「先生と元同級生の落第し続けた小学生」という設定で登場することもあった。志村がドリフの正式メンバーとして初登場した時のメインコントでもあり、この時は志村も転校生役で登場した。また、回によっては(生徒役ゲストとの兼ね合いから)高木が女子生徒役で登場することもあったが、大抵は遅刻して登場した。なお『白い巨塔』の映画版とテレビドラマ版で主役を歴任、また当時『クイズタイムショック』の司会者でもあった田宮二郎がゲスト出演したのも、このコントだった。志村けんが登場して、水を浴びるシーンもある。志村がドリフ大爆笑の神様役で登場したこともある。 小学校という設定で生徒(児童)役のドリフメンバーと男性ゲストが家族コントと同じ半ズボンの私服姿であるのに対し、女子生徒役の女性ゲスト・準レギュラー(アシスタント)が全て中高生型のセーラー服姿だったり(小学校で制服という事自体は地域によっては特別珍しい事でないが中高生型である点に注意)、英語の授業があったりする。ピンクレディーの未唯は本名の「根本美鶴代」としてよばれいかりやは未唯のことを「根本さん」と呼ぶ。 国語の授業では、いかりやがことわざや俳句を読み上げ、生徒が後について唱和するが、志村だけがわざと調子外れに唱和して笑いをとるという形式のコントがよく見られた(詳細は後述)。英語の人称代名詞の変格「I・MY・ME」を志村が読み違える「あー・みー・まー!」は『飛べ!孫悟空』で、孫悟空の呪文として使用されている。志村が宿題で書いてきた作文を読むときは読み間違いがお決まりで、下ネタが多い(詳細は後述)。 他には、いかりやが生徒に文章の読み上げをさせる授業では、志村が「おいしいパン、作ったね」を「おいしいパンツ、食ったね」、「うん、こうしよう!」を「ウンコをしよう!」とぎなた読みをするネタもあった。 俳句クイズで小泉今日子が「すずめの子 そこのけそこのけ あぶないよ」、加藤が「すずめの子 そこのけそこのけ あそこのけ」、志村が「すずめの子 そこのけそこのけ ちぢれっ毛」と言う。正解は「すずめの子 そこのけそこのけ お馬が通る」(小林一茶の俳句)である。 算数の授業ではリンゴを使った問題が出されるが、「次の日食べた」(仲本)、「ジュースにした」(志村)、「歯茎から血が出た。ドロドロ出た」(加藤)とボケた答えをし、再び志村が指名されるがいかりやにいちいち突っ込みを入れた挙句「分かりません」と答えた。 社会は日本地図を広げて地名を当てさせるものだが、ゲストの伊代と早見は九州と本州を正しく読めたのに対し、仲本は北海道を「きたかいどう」、志村は四国を「よんくに」「よんこく」「しくに!」と答えた。いかりやがオホーツク海を指して加藤を当てたが、加藤は「北の湖」と答えた(北の湖はこの放送の数日後に引退した)が、「千代の富士じゃないでしょ」と加藤は言っていた。 志村が廊下に立たされた時、どこかからお面を持ってきてかぶって見せ、いかりやが咎めると「寂しくて…」と言い訳するネタもあった。 また、稀有なコントとしては、英語の時間に早見優がいかりやに指名され黒板に貼ってある英文を読ませるが、意味不明な文面であるため早見も読んでいるうちに「?」という表情に。代わっていかりやが読むのだが、実は演歌やCMソングの歌詞を近い音の英単語で表記しただけで、シャウトで歌いきって、生徒役全員の反感を買いエンディングになるという事もあった。ネタになった歌には、ヨドバシカメラのCMソングや『矢切の渡し』がある。 さらに「映画(著名作が多い)を上映する」と言って、いざ映画を上映したら、タイトルのダジャレが出てきて「おわり」となるコントもあった(例えば「『エマニエル夫人』を上映する」といって上映したら、鍋に煮えたイモが出てきて「イモニエル」となるオチや、『女のあそこ』というタイトルに出てくる女性の名が「女野阿蘇子・おんなのあそこ」であるなど。他には『恐怖の5秒間』というタイトルの映画もあり、5・4・3・2・1……という例の数字カウントダウンのあと、0と同時に例の加藤のニヤケ顔で「デーン」と言うオチであった。加藤と志村が雑誌『小学一年生』のCMコントを行ったこともあった。小学一年生コントのパターンは、まず加藤がニヤケ顔で「デーン」を行い、志村が「ピッカピカの一年生」とCMソングを歌った後に加藤が直立不動になって「ビシッ!」と言うオチであった。 このコントは他のコントと比べて舞台上の大がかりな仕掛けを必要とせず、最も低予算であったため、全員集合の予算状況に合わせて定期的に行われると同時に、場合によっては月1回ペースで行われ(いかりやの一周忌特番でも、加藤と志村が歌舞伎口調で教科書を読んだ回のコントが再放送された)、全員集合のコントの中では放送回数が最も多いコントだった。 なお、取り上げられるシーンは教室での授業中がほとんどであり、給食時間を採用したネタはない(いかりやは学校給食の経験が無い為)。また、このコントから「虎がションベンしてタイガージャー」(タイガー魔法瓶)や「リンゴを食べると」→「歯茎から血が出た。ドロドロ出た」(ライオン。同社の歯磨「デンターライオン」のCMから)といった当時のスポンサーを皮肉ったギャグも生まれた。 この学校には校歌もあり、コント内で出演者が斉唱したこともある。ただしその歌詞は1番が「校歌!」2番が「2番!」だけという、楽曲とは言い難いものであった。 先述の志村が作文を読み上げる際の読み間違いの対照は以下の通り(太字は読み間違えた文字で、その隣の()内は正式な文字)。 「大晦日の深夜に、僕はお父さんとお母さんからお金玉(お年玉)を貰った。」 「お母さんから小便(小遣い)を貰い、鳥のウンコ(インコ)を買った。」 「僕のお姉さんは切痔(奇麗)な人だ。」 「僕の弟は昨日野球で妊娠(三振)した。」 「お爺ちゃんはスキモノ(着物)でインポ(散歩)に行った。」 「お爺ちゃんは寒がりで、寝るときいつもタンポン(湯たんぽ)を使う。」 「僕は勃起(奮起)して踏ん張る(頑張る)。」 「とても臨月(満足)だった。」……など。 先述のことわざや俳句を読み上げる際の言い回しの対照は以下の通り(太字が志村の言い回し)。 「生兵法は大怪我のもと」→「生麦・生米・生卵」 「一攫千金」→「1階、家具売り場」 「二兎追う者は一兎をも得ず」→「2階、3階も家具売り場」 「犬も歩けば棒に当たる」→「いかりやも歩けばお化けも逃げる」「犬も歩けば猫も歩く」 「火のないところに煙は立たぬ」→「毛のないところにアデランス」 「猫に小判」→「ピップエレキバン」「猫にエレキバン」 「苦しいときの神頼み」→「とんでもねぇ、私ゃ神様だよ!」 「可愛い子には旅をさせろ」→「かわいい志村に給料上げろ」「河合奈保子はパンパースを使ってる」 「能ある鷹は爪を隠す」→「ノーパン喫茶は、もう古い」 「急いては事を仕損じる」→「聖子(松田聖子)は胸がペッタンコ」 「嘘も方便」→「ウンコ(大便)と小便」 「光陰矢の如し」→「肛門、屁の出口」 「鬼に金棒」→「鬼に金玉」 「短気は損気」→「元気に勃起」 「少年よ大志を抱け」→「少年よ大正生まれ」 「老いては子に従え」→「大磯ロングビーチ」 「我田引水」→「井上陽水」 「灯台下暗し」→「東大、元早稲田」 「大は小を兼ねる」→「大便は小便より臭い」 「弘法も筆の誤り」→「いかりや長介顔の誤り」 「一文惜しみの百知らず」→「いかりや長介恥知らず」 「一事が万事」→「いかりや、イボ痔」 「一石二鳥」→「いかりや、脱腸」 「提灯に釣鐘」→「長介は、馬鹿だね」 「いつまでもあると思うな親と金」→「いつまでも元気でいるな、いかりや長介」 「石橋を叩いて渡る」→「いかりやを叩いて殺せ!」(これだけは原則として2回繰り返すこととなっており、最終的に3回目で「いかりやを叩いて殺せ!」を全員で唱和して完結)
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