レイシャル・プロファイリング レイシャル・プロファイリングの概要

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > レイシャル・プロファイリングの解説 > レイシャル・プロファイリングの概要 

レイシャル・プロファイリング

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/29 17:56 UTC 版)

ナビゲーションに移動 検索に移動
レイシャル・プロファイリングをやめてと訴えるサイレント・マーチ

警察はドライバーや通行人を不審人物とみなした場合、ストップ・アンド・フリスク (stop and frisk) という所持品検査や職務質問などを行っている。特に若い黒人男性がその対象となることが多く、走行中に停車させられ、あるいは公の場で突然尋問や身体検査が行われることもある。また警察によって不必要に暴力を受けたり殺害されたりするケースが多く報告されている。

一方で、捜査は妥当なものであるという警察の主張も多くなされている。

ストップ・アンド・フリスク (Stop-And-Frisk)

ニューヨーク警察 (NYPD) が2009年に発表したデータによると、警察が市民を引き留め身体調査 (ストップ・アンド・フリスク) した575,000人の歩行者のうち、黒人は市の人口の23パーセントにすぎないにも関わず、55%のアフリカ系アメリカ人が対象になっており一方で人口の35%を占めている白人系は、10%しか調査対象になっていなかった[1]

違法薬物の使用に関する全国調査では、使用する割合は白人もアフリカ系も同程度だったが、2018年度には、黒人10万人あたり約750人が薬物関連で逮捕されているのに対し、白人系は10万人あたり350人だった[2]

アフリカン・アメリカン・スタディーズの第一人者でありハーバード大学のヘンリー・ルイス・ゲイツ教授は、自分の家の鍵が壊れていたために苦心してドアを開けようとした際に警察に通報され逮捕された。このことはゲイツの友人でもあるオバマ大統領を巻き込んで大きな社会的議論となった。

そして最後に、この事件とは別に切り離してみても、私たちが認識していると考えていることのひとつとして、この国には、警察によって、アフリカ系アメリカ人とラティーノの人たちが不自然に多くひきとめられてきた長い歴史がある、ということだ。それは事実としてある。 — Barack Obama

しかしこのオバマ大統領の発言は警察との関係悪化を招き、また支持率にネガティブな影響を与えた[3]

2018年、オバマ政権のホワイトハウスの元スタッフであったダレン・マーティンはアパート引っ越しの日に隣人から「武装した黒人の強盗」と通報され、6人ほどの武装警官に囲まれた。なぜ武装していると認識したのか理由はわからないが、一歩間違えれば命の危険があった[4]

2018年10月7日、米南部ジョージア州アトランタで黒人男性のコーリー・ルイスが白人の子供の面倒を見ながら買い物をしていたところ、警察に通報されて子供たちの前で職務質問された[5]。この事件で#BabysittingWhileBlack (黒人でベビーシッター) の怒りのツイートが続出した。

2018年04月16日、米コーヒー・チェーン大手スターバックスは、フィラデルフィアの店舗で友人を待っていただけの黒人2人が店長に店から出るよう言われ、拒否して逮捕された件について謝罪した[6]

走行中の黒人 (Driving While Black)

しばしば問題とされているのは、交通法の明白な違反ではなく、ただ運転者が黒人あるいは有色人種であるということのために、運転手が警察官によって停止されるというケースが非常に多いと報告されている。いわゆる、飲酒運転 (driving while intoxicated: DWI) をもじり、冷笑的に、走行中の黒人 (driving while black: DWB) ともいわれる、走行中のアフリカ系アメリカ人をターゲットにした捜査。

多くの有名なアフリカ系アメリカ人もまた、運転中に何らかのプロファイリングとおもわれる経験をしたことを公表している・

著名な天体物理学者でニューヨークのヘイデン・プラネタリウムの館長でもあったニール・ドグラース・タイソンは、何度も警察によって車を路肩によせられたときの警察の曖昧な理由と、彼の多くのアフリカ系アメリカ人の物理学者が同様な経験をしていることを示し、こう語っている[7]

我々は DWI (飲酒運転: driving while intoxicated)ではなく、私たちの誰もどこに記載されているのかもわからない違反で有罪とされているのだ。つまり DWB (運転中の黒人: driving while black)、 WWB (歩行中の黒人: walking while black)、そして無論、JBB (ただ単に黒人であること: just being black) というだけの理由で。

  1. ^ Donald, Heather Mac (2010年6月25日). “Opinion | Fighting Crime Where the Criminals Are” (英語). The New York Times. ISSN 0362-4331. https://www.nytimes.com/2010/06/26/opinion/26macdonald.html 2020年2月16日閲覧。 
  2. ^ 【解説】 なぜアメリカで大勢が怒っているのか 人種に関する3つのデータ」『BBCニュース』。2020年8月26日閲覧。
  3. ^ “Henry Louis Gates arrest controversy” (英語). Wikipedia. (2020-02-09). https://en.wikipedia.org/w/index.php?title=Henry_Louis_Gates_arrest_controversy&oldid=939864226. 
  4. ^ CNN, Holly Yan. “This is why everyday racial profiling is so dangerous”. CNN. 2020年2月16日閲覧。
  5. ^ 米南部で「黒人男性がベビーシッター」は不審と通報」『BBCニュース』、2018年10月11日。2020年2月16日閲覧。
  6. ^ 米スタバ謝罪、友人を待っていた黒人男性逮捕 人種差別の批判受け」『BBCニュース』、2018年4月16日。2020年2月16日閲覧。
  7. ^ Tyson, Neil deGrasse (2004). The Sky Is Not the Limit: Adventures of an Urban Astrophysicist. Amherst, New York: Prometheus Books. pp. Chapter 4. ISBN 978-1591021889.
  8. ^ 新型ウイルスで拡散するアジア人嫌悪、繰り返される差別の歴史” (日本語). www.afpbb.com. 2020年2月16日閲覧。
  9. ^ アメリカン航空、トイレを2回流したムスリム男性を「不審者扱い」 FBIが尋問も」『BBCニュース』、2019年9月26日。2020年2月16日閲覧。


「レイシャル・プロファイリング」の続きの解説一覧


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「レイシャル・プロファイリング」の関連用語

レイシャル・プロファイリングのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



レイシャル・プロファイリングのページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのレイシャル・プロファイリング (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2020 Weblio RSS