覆面パトカー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 02:19 UTC 版)
覆面パトカーは平時の外観は一般車両と同じ様相をしており、緊急走行開始時や対象者検挙時にのみ、赤色灯を露出させサイレンを鳴らすパトカーをいう。パトカーであると気づかれずに、不審車両や不審人物への職務質問が出来るので、不審者を取り逃がす可能性が少ない。 正式には取締りに用するものを「交通取締用四輪車(反転警光灯)」、要人警護に用するものを「警護車」、犯罪捜査の用に供するものを「捜査車両」といい、総称してこの3種を覆面パトカーと呼び単に「覆面」や「覆面車」と略される時もある。ただし「捜査車両」の中には、緊急自動車指定(騒音走行認定)を受けておらず、着脱式赤色回転灯とサイレンを装備していない一般車両も存在する。 また覆面パトに乗務する警察官は、必ずしも警察の制服を着ているとは限らず、「私服警察官」として、一般人と同じ服装でパトロールを行う場合もある。警ら・交通機動隊の覆面パト隊員は、制服・ヘルメット着用、機捜の覆面パト隊員はスーツ着用というのが一般的だが、私服の場合もある。「偽警官」と間違われない様に、身分証明書付き警察手帳を常に携帯している。セダンやミニバンでも男性2人、共に前席に乗っていればパトカーの可能性があった(※女性警察官の刑事課配属が少なかった為。しかし2021年現在は、女性警察官も多くが刑事課にも配置され、いわゆる「女性刑事」も多く捜査を行っており、この可能性は低くなっている)。 外装上の特徴として、警察無線用のアンテナがある。基本的には無線機を搭載していると思わせない擬装を施したアンテナが使用され、古くはフェンダーに取り付けるラジオアンテナを模した「F-1型アンテナ」やパーソナル無線用のアンテナを模したタイプが使用され、1990年代には自動車電話用アンテナを模した「TLアンテナ」が主流となった。 それぞれに「本来のラジオ用アンテナは存在するため『ラジオアンテナが2本有る』ように見える」「パーソナル無線搭載一般車両の減少」「携帯電話の普及による自動車電話の減少と、携帯電話オプション品としての同型アンテナの普及率の低さ」という短所から、覆面パトカーの象徴のように、広く一般にも認知され、秘匿性に欠ける。このため2000年代初め頃からは、車載アナログテレビのダイバーシティアンテナを模した「TAアンテナ」に置き換わった。 しかし、日本の地上デジタルテレビ放送の開始で、一般車両のテレビ視聴用にはフィルムアンテナが主流となったため、TA型の秘匿性も落ちており、警察無線用の周波数に調整したフィルムアンテナや、現在ラジオアンテナの主流であるプラスチック外装で短い棒状の通称「ユーロアンテナ(日本アンテナ製:MG-UV-TP、WH-UV-TPなど)」が主流となっている。例外として、一部の県警ではアマチュア無線用のホイップアンテナに擬装したアンテナを使用している場合もある。
※この「覆面パトカー」の解説は、「パトロールカー」の解説の一部です。
「覆面パトカー」を含む「パトロールカー」の記事については、「パトロールカー」の概要を参照ください。
「覆面パトカー」の例文・使い方・用例・文例
覆面パトカーと同じ種類の言葉
- 覆面パトカーのページへのリンク