警護車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 02:19 UTC 版)
警護車は、主に内閣総理大臣を初めとする閣僚や官公庁の上官、都道府県知事など国内外の要人警護を目的に使用され、ベース車にはトヨタのセンチュリー、セルシオ、クラウンマジェスタ、クラウンロイヤルサルーン、レクサス・LS、日産のシーマ、フーガ、スカイライン、ティアナ、ホンダ・レジェンド、スバル・レガシィB4(BM9)など、高級日本車やスポーツセダンが採用される場合が多い。 しかし、2008年頃にはベンツ・S600L(W221・右ハンドル防弾仕様)の高級車が数台国費導入されている。また、トヨタ・ランドクルーザープラド、トヨタ・ハイラックスサーフ、スバル・レガシィアウトバックなどのSUVをベースとし、警護の車列には直接加わらない遊撃警護車も配備されている。遊撃警護車は、頑丈なボディを活かし、いざという時には体当たりなどをして守ることができる。 一部の車両を除き、交通取締用四輪車同様に、赤色警光灯が車内天井部に格納されており、ルーフ中央部分が開いて小型の流線型赤色警光灯が外部にせりあがってくる。前面赤色警光灯は、フロントグリルの中に取り付けられているのが一般であるが、近年は全国的に視認性を高める目的でLEDの前面赤色警光灯を装備する志向にある。このうちセルシオなど大排気量車の中には防弾ガラス仕様も存在する。 なお基本的な仕組みは交通取締用四輪車と同じであるが主に白黒パトカーに装着されている補助ミラーを装着しており業務上必要ない速度計測用の機器(ストップメーター)を装備しないなど細部に違いがある。 警護車を使った警備については、警護車を1台ないしは2台利用して車列をつくり(車列警護)、警護対象者の乗る対象車の前で先導するか、対象車の後から追尾するスタイルが一般的である。なお、この場合では警護車は緊急自動車とならず、車列の走行に障害となる一般の交通を一時停止させるため、乗務するSPが、警護車から身を乗り出し(「ハコ乗り」)、誘導灯を振るなどして一般車などを排除しながら走行する。 遊撃警護車の例(ランドクルーザープラド) 一般的な警護車の例(スカイライン) 一般的な警護車の例(レガシィB4) 一般的な警護車と違い、脱着式の赤色灯を装備した車両(S600L) 皇宮警察の車両
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