交通取締用四輪車(反転警光灯)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 02:19 UTC 版)
「パトロールカー」の記事における「交通取締用四輪車(反転警光灯)」の解説
交通取締用四輪車(反転警光灯)は、警護車同様に赤色警光灯が車内天井部に格納されており、緊急時にはルーフ中央部分が開いて小型の流線型赤色警光灯が外部にせり上がって来る(かつて180度反転して収納されていた構造から「反転式」と呼ばれるが、現行製品は格納スペースの中で横倒しになっており、蓋が開く動きに連動するリンク機構によって外部に露出させる)。また、ごく初期の覆面パトカーは、回転灯が上昇・下降するのみで反転はしなかった模様で、1967年に導入の覆面パトカーの映像が視聴できる。 交通覆面パトカーは、交通機動隊(交機隊)や高速道路交通警察隊(高速隊)、また警察署(所轄署)の交通課などに配備されて、主に交通取締りを行なっている。交通機動隊など交通違反取締りを行う車両には、屋根中央部分から格納されている赤色灯が、車内のスイッチ操作により自動的にせり上がるようになっている。そのため、車内天井には反転灯を収納する場所の窪み(その形状から「洗面器」と呼ばれる事がある)がある。 また、車内に乗っている警察官は、原則として交通機動隊の青色制服、または合皮製黒色制服を着用することになっているので、車内をよく観察すれば、警察車両であると判別できる。例外として、各地の暴走族(マル走)対策車両などには、捜査用車両と同様にマグネット式の赤色灯を使うものが存在し、マル走対策などでは、交通機動隊であっても私服で出動する場合もある。リアトレイに設置された電光表示板に「パトカーに続け」や「速度落とせ」などと表示される機能の付いた車両もある。 交通覆面パトカーは制服パトカーと同じく、各自動車メーカーに専用グレードが存在する。しかし制服パトカーに比べて需要台数が少ないため、車種も少なく、現在はトヨタ・クラウンのみがカタログモデルとして設定されている。しかし制服パトカーでの記述にあるように、県警単位で購入したり、警察庁が一般競争入札で一括調達するケース、寄贈されるケースが主流となっているため、一般市販車ベースの覆面パトカーも多数存在する。バブル景気には、貿易黒字を減少するため、国費でベンツやBMWの外国製高級車が購入され、主要県警の高速隊に配備されていた事例もある。 車両価格は、2016年に警視庁が購入、交通機動隊に配備したトヨタ・マークXの例で、4台で3,331万1,640円(1台あたり832万7,910円)。ただし、3.5リッターV型6気筒エンジンを搭載するスポーツモデルに、専用開発されたスーパーチャージャー、ECUを換装、トルクと馬力が高められた特別な仕様のものである。 フロントバンパー内にオートカバー形状の警光灯と、リアガラス上部左右にTAアンテナを装着した180系クラウン。 フロントグリル内に警光灯と、リアガラス上部左右にTAアンテナを装着した180系クラウン。 フロントグリル内に警光灯と、ルーフにユーロアンテナを装着した210系クラウン。
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