代数幾何とは? わかりやすく解説

代数・幾何

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/15 03:22 UTC 版)

数学 (教科) > 代数・幾何

代数・幾何(だいすう・きか)は、1982年から施行された高等学校学習指導要領において、ベクトル及び行列について理解させ、それらを活用する能力を養うとともに、図形について座標やベクトルを用いて考察する能力を伸ばし、二次曲線空間図形についての理解を深めることを目的とした数学の科目の一つである。大学の初年次で履修する線形代数の高校生版という雰囲気であった[1]。1994年度から施行された学習指導要領に伴い、廃止された。学習指導要領に示された内容は次のとおりである。

目標

ベクトル及び行列について理解させ、それらを活用する能力を養う。また、図形について座標やベクトルを用いて考察する能力を伸ばし、二次曲線や空間図形についての理解を深める[2]

内容

(1) 二次曲線[3]

放物線
だ円双曲線

(2) 平面上のベクトル[4]

ア ベクトルとその演算
イ ベクトルの内積
ウ ベクトルの応用

(3) 行列

ア 行列とその演算
逆行列
一次変換写像

[用語・記号] A-1

(4) 空間図形[5]

ア 空間における直線平面
イ 空間座標
ウ 空間におけるベクトル

内容の取扱い

  1.  内容の1.については,二次曲線の標準形の方程式について,グラフの概形や焦点を取り扱う程度とする.
  2.  内容の3.のアの行列の乗法については,2x2行列までを取り扱うものとする.
  3.  内容の4.のアについては,平行垂直などの位置関係を中心に,三垂線の定理を導く程度の内容を取り扱うものとする.

現行課程との関連性

1994年から施行された課程では大体において「数学B」と「数学C」に相当する。ベクトルでは平面の方程式は扱われなかった。行列は「数学C」において、3次元まで扱われるが連立方程式の扱いにとどまり一次変換は扱われなかった。 2003年度から施行された課程では大体において「数学B」と「数学C」に相当する。ベクトルは「数学B」、二次曲線と行列は「数学C」である。ただし、空間における直線・平面・球の方程式は発展的な内容として扱われている。この課程では一次変換が部分的に復活した。2012年度から施行された課程では数学Cは廃止され、1971年頃から高等学校で指導されていた行列という単元そのものが消えた。行列の内容は部分的に新設された数学活用に移行し、理数科向けの科目「理数数学探究」には行列という単元が残ったが、実際には殆ど扱われなかった。2022年から施行の現行課程では数学Cが復活し、ベクトル・複素数平面・二次曲線・数学的な表現の工夫を扱うことになった。行列はこの「数学的な表現の工夫」の主要単元として復活したが、内容は逆行列までの基本演算程度と非常に薄くなっている。その代わり、今回の改訂で高校数学に初登場した離散グラフと行列の関連(隣接行列)が盛り込まれた。また、学習指導要領の数学Cの項には『生徒の特性等によって、本科目の「数学的な表現の工夫」の行列とベクトルを関連させて取り扱うことも考えられる。』との記述があり、学校によっては2003年度課程と同程度の内容を扱う可能性もある。

脚注

  1. ^ 森毅,『線型代数―生態と意味』,日本評論社,1980年
  2. ^ 文部省発表 高等学校学習指導要領 昭和53年(1978)改訂版 学校教育法施行規則 第4章 高等学校 第2章 各教科 第3節 数学 - 学習指導要領データベース
  3. ^ 前課程では数学Iの「平面図形と式」で簡単に扱われた程度であり、実質本科目からの追加内容であった。
  4. ^ 直線、方程式など。
  5. ^ 直線、平面及びの方程式を含む。

関連項目


代数幾何学

(代数幾何 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/17 02:07 UTC 版)

代数幾何学(だいすうきかがく、: algebraic geometry)とは、多項式零点(zero)のなすような図形を代数的手法を用いて(代数多様体として)研究する数学の一分野である[1]

概論

大別して、「多変数代数函数体に関する幾何学論」「射影空間上での複素多様体論」とに分けられる。前者は代数学の中の可換環論と関係が深く、後者は幾何学の中の多様体論と関係が深い。20世紀に入って外観を一新し、大きく発展した数学の分野といわれる。

ルネ・デカルトは、多項式の零点を曲線として幾何学的に扱う発想を生みだしたが、これが代数幾何学の始まりとなったといえる。例えば、x, y変数として "x2 + ay2 − 1" という多項式を考えると、これの零点のなす R2 の中の集合は a の正、零、負によってそれぞれ楕円、平行な2直線双曲線になる。このように、多項式の係数と多様体の概形の関係は非常に深いものがある。

上記の例のように、代数幾何学において非常に重要な問題として「多項式の形から、多様体を分類せよ」という問題が挙げられる。曲線のような低次元の多様体の場合、分類は簡単にできると思われがちだが、低次元でも次数が高くなるとあっという間に分類が非常に複雑になる。

当然、次元が上がると更に複雑化し、4次元以上の代数多様体についてはあまり研究は進んでいない。

2次元の場合、多様体に含まれる(−1)カーブと呼ばれる曲線を除外していくことにより、特殊な物をのぞいて極小モデルと呼ばれる多様体が一意に定まるので、2次元の場合の分類問題は「極小モデルを分類せよ」という問題に帰着される。

3次元の場合も同じように極小モデルを分類していくという方針が立てられたが、3次元の場合は、その極小モデルが一意に定まるかどうかが大問題であった。しかし、1988年森重文により3次元多様体の極小モデル存在定理が証明され、以降「森のプログラム[2]」と呼ばれるプログラムに沿って分類が強力に推し進められている。

19世紀中期に、ベルンハルト・リーマンがアーベル関数論の中で双有理同値など代数幾何学の中心概念を生み出し、19世紀後半には、イタリアの直観的な代数幾何学が発展した(代数幾何学のイタリア学派)。20世紀前半には、アンドレ・ヴェイユオスカー・ザリスキによって、抽象的な代数幾何学の研究が進められ、1950年代以降はグロタンディークのスキーム論によって代数幾何学全体が大きく書き直された。

局所的性質

局所的問題についてきちんとした話題を与える前に、アフィン多様体における位相を定義する必要がある;もちろん、基礎体: corps de base)が

この節はフランス語版から大ざっぱに翻訳されたものであり、場合によっては不慣れな翻訳者や機械翻訳によって翻訳されたものかもしれません。 翻訳を改善してくださる方を募集しています。

微分幾何学で私たちがすることのようにする、しかしながら、圧倒的にアフィン多様体と局所的に似ていること更に多項式的な地図の(座標)変換における、位相空間のようなものである私たちの大域的な対象の定義を私たちはし辛くさせられる。しかしながらにおけるこれらの、私たちが選んだところの見方でのこの論点ではそうでない。私たちは、環

この項目は、代数幾何学に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めています


代数幾何

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/18 02:45 UTC 版)

整域」の記事における「代数幾何」の解説

詳細は「代数幾何学」を参照 代数幾何学において整域既約代数多様体対応する既約代数多様体は、零イデアルによって与えられる唯一つの生成点 (generic point) を持つ。整域簡約かつ既約な環としても特徴付けられる前者条件はその環の冪零元根基 (nilradical) がであることを保証するもので、それ故その環の極小素イデアルすべての交わりとなることが出る。後者条件はこの環の極小素イデアルがただ一つであることを保証するのである。これらのことから、簡約かつ既約な環の極小素イデアル零イデアルただ一つということになり、これが整域であることを得る。逆は明らかで、任意の整域冪零元持たないから、零イデアル唯一の極小素イデアルになる。

※この「代数幾何」の解説は、「整域」の解説の一部です。
「代数幾何」を含む「整域」の記事については、「整域」の概要を参照ください。

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