ロールキャベツ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/19 00:46 UTC 版)

ロールキャベツ(英: cabbage roll, stuffed cabbage)は、挽肉に微塵切りした野菜などを混ぜて作った具を、湯通ししたキャベツの葉一枚を使って俵型に巻いたものを煮込んで作る料理。
歴史
挽肉にナッツやお米などを加えてキャベツの葉やブドウの葉で巻いたドルマという家庭料理が起源となっている[1]。
なお、米やナッツ類、挽肉などを塩漬けにしたブドウの葉やキャベツの葉で巻いた家庭料理にサルマがある[2]。サルマは巻き物、ドルマは詰め物の意味であるが、厳密に区別されているわけではない[2]。そのためサルマをロールキャベツにあたるものとして紹介する資料もある[3]。
調理法

挽肉、タマネギとニンジンの微塵切り、食塩、胡椒、ナツメグなどを混ぜて作った具を湯通ししたキャベツの葉で包み、俵型になるように巻く。葉は一枚ずつきれいに剥がし、湯通しして水気を切ったものを使用する。葉の終端は爪楊枝などで止める。さらに薄切りのベーコンを巻きつける場合もある。これをブイヨン、トマト味のスープ、ホワイトソースなどで煮込んで作る。[4][5]
各地の食文化

具材や味付けに若干の差異があるものの、世界中の多くの国で食べられている。
サルマ
サルマ(クロアチア語: sarma)は国ごとに「クロアチア風ロールキャベツ」のように紹介されることがある[6]。クロアチアではキャベツの葉を塩水に漬けて発酵させたキセリクプスが用いられる[6]。また、クロアチアでは食事の時にかき混ぜスプーンですくって食べる習慣がある[6]。
日本
家庭料理としてのロールキャベツには、ウスターソース、トマトケチャップ、醤油などをかけて食べる場合がある。また和風の出汁で煮込み、おでんの具材にすることもある。日本独自の具材としてかんぴょうがあり、これでキャベツを結べばかんぴょうごと食べられる[7]。
アレンジ料理としてキャベツの代わりに白菜を用いたものがあり、これをロール白菜と言う[8]。
ウクライナ

ゴルブッツィ、ガルブッツィ(ロシア語: голубцы)と呼ばれる。「ウクライナ風ロールキャベツ」とも。
ロールキャベツをオーブンで焼き、トマトクリームソースをかける。ロールキャベツ表面の焼き目が香ばしく、スプーンで切れるほどに柔らかい[9]。
出典
- ^ “キャベツのドルマ(トルコ共和国)”. 明治. 2021年12月8日閲覧。
- ^ a b 伊吹裕美「イスタンブル・レポート : 2010~2011年」『専修大学人文科学研究所月報』第255号、専修大学人文科学研究所、2012年1月、29-73頁、doi:10.34360/00007190、ISSN 0387-8694、NAID 120006793529、2021年12月10日閲覧。 p.55 より
- ^ “ボスニア・ヘルツェゴビナ-食事案内―”. 在ボスニア・ヘルツェゴビナ大使館. 2021年12月8日閲覧。
- ^ “基本のロールキャベツ 作り方・レシピ”. クラシル. 2023年12月19日閲覧。
- ^ “トマトソース派?ブイヨン派?カレー派!?簡単ロールキャベツのレシピ集|料理家レシピ満載【みんなのきょうの料理】NHK「きょうの料理」で放送のおいしい料理レシピをおとどけ!”. みんなのきょうの料理. 2023年12月19日閲覧。
- ^ a b c “ロールキャベツは原型を留めず混ぜる! 日本唯一・クロアチア料理店の本場の食べ方”. 日本テレビ. 2021年12月8日閲覧。
- ^ “世界中で食べられている料理「ロールキャベツ」のバリエーション/ホームメイト”. www.cookdoor.jp. 2023年12月19日閲覧。
- ^ “【くるっと巻くだけとっても簡単!】ロール白菜♪”. レシピサイトNadia. 2023年12月19日閲覧。
- ^ “ほっこりあったか「ロールキャベツ」がおいしい都内のレストラン♪”. キナリノ. カカクコム (2019年10月21日). 2024年8月14日閲覧。
関連項目
ロールキャベツ
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ロールキャベツを表わすキャベツの巻き物と、その反対の詰め物の料理は、バルカン半島諸国から北極圏までの広範囲に分布している。バルカン半島と中東にはサルマ(トルコ語の「包む」に由来する)があり、一握りのコメをキャベツの葉で包んだ料理である。また、北欧のスウェーデンにはドルマ(トルコ語の「詰め込まれる」に由来する)があって、キャベツの玉の芯をくり抜いてコメを詰め込んだ料理である。ポーランドのゴウォンプキ、ウクライナのホロブツィ、リトアニアのバランデーリ、ロシアのゴルゥツィなど、東欧諸国の肉とコメを包んだロールキャベツには、いづれも「小さなハト」を意味する名前がつけられている。ロシアのロールキャベツは甘酸っぱいソースとサワークリームとともに食卓に出し、ウクライナのロールキャベツは具にソバ・アワ・コーンスターチなども一緒に詰める。ロールキャベツの中に詰める具材は諸国ごとに変化し、バルカン半島の住人はザウアークラウトの葉で肉だねを包み、中東には肉が全く入っていないサルマもある。使われるスープは、ベースにトマトソースやブイヨンなど、普段家庭にストックしてあるものが使われる。フランスでは、キャベツの葉でパン生地を包んで鍋に入れるという伝統料理があり、ガスコーニュ地方ではブラゼールというキビのパンが使われている。キャベツ芯をくり抜いて具を詰めたヨーロッパの詰め物料理は、たいてい酸っぱくて塩気がある。キャベツの詰め物はハンガリーでは国民的料理として親しまれているが、詰め物料理の場合、キャベツの玉を調理が終わるまでそのままの形で扱うのは大変なので、大半の国ではその代品としてロールキャベツが作られている。
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「ロールキャベツ」の例文・使い方・用例・文例
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